宇宙はどこまであるのか★3
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前スレに以下のようなことが書かれていた。
886名無しって、書けない?(京都府)2018/12/13(木) 00:49:14.98ID:ttQGxKnu0
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対象スレ:宇宙はどこまであるのか★2
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対象スレ:宇宙はどこまであるのか★2
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対象スレ:宇宙はどこまであるのか★2
キーワード:小林
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このスレ読む価値なし なぜその三人をことさら強調するのかが意味不明。
ノーベル物理学受賞者なら日本人だけでも他に大勢いる。
また、2008年の共同受賞というのなら、益川敏英、小林誠以外にも南部陽一郎もいる。
マウンティングしたいがゆえに知っている名前を適当に挙げただけなのか? その三人の名前を出さなかったのはその流れではなかったというだけ、
流れとは無関係に唐突に挙げる必要もない。 では、スレ維持のためその三人について とりあえず書こう。 まず、湯川秀樹について。
日本人なら誰もが知っている通り、湯川の業績は中間子の発見である。
正電荷を持つ陽子が複数あるにもかかわらず、原子核が固待ることができるのは中間子のはたらきである。 前々スレのレス番239で電磁力が働くメカニズムは書いた。
2つの電荷の間で仮想光子をキャッチボールすることで電磁力は働く。
それと同じように、陽子と中性子は中間子をキャッチボールすることで引力となる核力が働き原子核は固まることができる。 何だ?そのくらいのことなら俺でも発見できそうだ!
理論のつじつま合わせのため未知粒子を導入して、それがたまたまあっていただけだろ!
そう思った人は間違っている。
湯川秀樹はすごいのは未知粒子である中間子の質量を的中させたことだ。 電磁力を介在する仮想光子や重力を介在する重力子はその到達距離は無限大である。
それは仮想光子や重力子が質量を持たないため。 これに対し、核力は到達距離がかなり短いことが分かっていた。
一時的にエネルギーを借りて陽子Aが中間子をつくって、中性子Bがそれを受け取ることで核力が働く。
核力の到達距離が短いということはエネルギーを借りた時間が短いということ。
不確定性原理の時間とエネルギーの相補性から、エネルギーは大きくなる。
結局、核力の到達距離が分かれば、中間子のエネルギーが計算でき、E=mc^2から、中間子の質量も計算できるという次第である。 湯川の提出したその中間子の論文を「ネーチャー」が掲載拒否したのは有名な話。
その後、中間子が見つかり湯川は無事ノーベル物理学を受賞する。 ただし、中間子が見つかるまではちょっとした紆余曲折があった。
アンダーソンが宇宙線の中から未知粒子を見つけ、それこそが中間子であるという報告を湯川は受けた。
しかし、それはぬか喜びに終わった。
アンダーソンが見つけたのは中間子ではなくミューオンだった。 ちょっと脱線する。
ミューオンといえば、それを利用することでピラミッドに穴を空けずに内部を透視できるということで最近話題になっている。
透過力が強いのでピラミッドを突き抜けることができるが、
ニュートリノほどは強くないので素粒子用の写真フィルムでとらえることができる。
そのちょうどよい透過力のため内部の様子を写真に撮ることができる。 では話を元に戻す。
ミューオンの寿命はとても短いが、宇宙線として地球に降り注ぐときには光速近い速さとなるので、
相対性理論の効果で寿命が延び地上にやって来るまで壊れないので見つかりやすかった。
ところが、中間子はその効果があっても地上まではたどり着く間に壊れてしまう。
そこで、5000m超の南米の山に写真乾板を持っていき、ようやく中間子を発見できた。 強い力の発見者として湯川秀樹の名前がよくあげられる。
その真偽はどうか? 陽子や中性子はさらに細かい粒子であるクォークに分割される。
強い力とはそのクォークどうしを結びつける力である。
その力はグルーオンによって媒介される。
中間子とグルーオンは異なるので、湯川秀樹は強い力の発見者ではないことになる。 湯川の頃よりもより小さな世界が対象となってきているため、そういう齟齬は生じているが、
原子核内で中間子が大きな働きをしているという方向性から見れば、強い力の発見者として湯川秀樹を挙げてもいいと個人的には思う。 気づいたらレス数20を超えたので、益川・小林理論については書く必要もなくなった。 では、後は千葉県さん、よろしく。
思うぞんぶんタイムマシンの話をしてくれ。 宇宙の果てならガンダムUCでフルフロンタルが解説してくれてたよ。
なにもない無の世界だって >>23
何もない無の世界ってことは何も無い無があるんじゃないですか!?
頭が混乱して死にそうです 最新の宇宙論では宇宙は拡がり続け熱エネルギー反応がなにもおこらなくなり、すべての物質が希薄化し温度が下がり続け何も起こらないまま拡がり続けるそうだ 「どこまであるのか」という問いそのものがミスリードなのだ(適当) ダークエネルギーとかいうまだ謎なエネルギーによって宇宙は加速度的に膨張している もう書かないつもりでいたが、このスレをこのままフェードアウトさせるのは忍びないので、スレの終活を行おう。
ちょっと長くなりそうで日をまたぐことになるが、今年中には終わらせる。 電子の二重性
電子は奇妙な性質を持っている。
観測していないときには波動性を示すが、観測したときには粒子性を示すというものである。
粒子性というのはほぼ点として存在しているということだが、波動性というのは空間的な広がりを持っているということ。
その空間的な広がりを確率波として解釈している。
たとえば、サッカーでキーパーがいる場所の確率は自陣のゴール前の中央が最も大きいだろうが、
トーナメント戦で時間切れ間際のときなんかを考慮すれば、負けているチームのキーパーが敵陣のゴール近くにいる確率もわずかながらある。
それと同じように電子がいそうな場所の確率として、確率波は解釈される。
不確定性原理を用いた説明は次のようになる。
運動量(速度)と存在範囲とは相補的である。
つまり、速度が小さいと存在範囲が大きく、速度が大きいと存在範囲が小さい。
存在範囲が大きい場合には、電子は確率波として現れている。
電子がどこにあるかというのを確かめるため観察する場合には光を当てなければならない。
そうすると、光と衝突した電子は速度が大きくなり、存在範囲が小さくなり、粒子として現れる。
このように、それまで波であった電子が粒子となって現れることを波の収縮という。(続く) シュレディンガーの猫
シュレディンガーの猫というのは、元々は放射性元素の崩壊確率を元にした実験を想定している。
ただ、その例だと、放射性元素の崩壊に観測という行為がどう影響するのかがわかりにくい。
電子の存在確率で置き換えてもその本質は失われることはないので、それで説明を試みる。
猫を箱の中に入れる。
その箱は青酸ガスが放出される容器と管でつながれている。
電子の存在範囲をA領域とB領域に分け、A領域にあるときには青酸ガスは放出されて、B領域にあるときには青酸ガスは放出されないとした装置があるとする。
こういう装置をつくるのは技術的には無理だが、それは放射性元素の崩壊の装置の場合でも同じである。
あくまで原理的には可能であるという思考実験である。
観測すれば電子は一点に収縮するのでA領域とB領域のいずれかにあり、青酸ガスは放出されている・されていないがはっきりする。
ところが、観測する以前では、電子はA領域とB領域のいずれかにあるはずだか、それを知ることができない。
存在確率としては半々なので、半死半生の猫がいることになる。
常識的に考えれば観測する前から猫の生死は決定しているはずだが、
量子力学によれば観測した瞬間に猫の生死が決定することになる。
だから量子力学っておかしくねえ?というのがシュレディンガーの主張である。(続く) 量子もつれentanglement
量子もつれというのは、アインシュタインが「不気味な遠隔作用」と呼んだものである。
粒子にはスピンと呼ばれる性質があるが、まあ回転のことだと思っておけばいい。
電子の位置と同じように、そのスピンの向きも観測するまでは分からないが、観測した瞬間に波の収縮か起こり、その向きが判明する。
もつれの状態にある二つの電子の合成スピンが0であるとする。
電子のスピンは1/2なので、片方のスピンが上向きならもう片方のスピンは下向きとなる。( 1/2+(-1/2)=0 )
合成スピンが0の関係性を保ったまま、その電子のペアを遠くに引き離す。
遠く離した後で、一方の電子のスピンの向きを観測して上向きだったとすれば、もう一つの光子の向きは下向きに確定する。
瞬間的にもう一方の状態が決定するので、その伝達の速さは光速を優に超える。
たとえば、今はやぶさ2がいるリュウグウまでは光の速さでも20分弱もかかるが、量子もつれなら瞬時に伝達することができる。
ただし、一応は情報を運んでいるとはいえ、これを人間が利用できるのかといえば、答えは否である。
スピンがどの向きかというのは観測するまでわからないからである。
もし電子のスピンの向きをコントロールできるのであれば、技術的には無理だろうが原理的には利用可能である。
量子もつれにある電子を片方は地球にもう片方ははやぶさ2に置いておく。
はやぶさ2の電子のスピンの状態はスイッチに連動していて、上向きか下向きかで目的に応じた操作ができる。
はやぶさ2の電子のスピンを上向き(下向き)にしたければ、地球の電子のスピンを下向き(上向き)にすればよい。
ところが、実際には、地球にある電子の向きは観測して初めて上向きか下向きかのいずれかとなり、
コントロール不可能なので、それによる遠隔操作はできない。
利用することはでいないとはいえ、それがとても奇妙な現象であることには変わりはない。(続く) コペンハーゲン解釈と多世界解釈
今まで書いてきた「観測することで波の収縮が起きる」という解釈をコペンハーゲン解釈といい、それ以外に多世界解釈というのもある。
コペンハーゲン解釈では、観測することで波の収縮が起こり、AかBかのいずれかの状態となる。
AかBかのいずれか一方の可能性だけが残りもう一方の可能性は消滅するということである。
シュレーディンガーの猫で言えば生か死かの2つの状態となる。
観測する以前では確率空間上にあった状態を観測者はAにするかBにするかを意図的にコントロールすることはできない。
だから、それは決定論ではなく確率論となる。
これに対して多世界解釈では、いずれか一方だけが残りもう一方は消滅するとは考えない。
世界全体がAとBの2つに分岐すると解釈する。
その場合、観測者自身も分岐することとなる。
世界Aに分岐した観測者はAとなった結果を確認し、世界Bに分岐した観測者はBとなった結果を確認することになるだけである。
世界Aだけ、あるいは、世界Bだけで閉じるなら、多世界解釈は決定論である。
また、AとBとは交流できないどころか、互いにその存在を認識することさえできない。
ただし、その二つを外から見る超越者(=神)がいるとして、その超越者からみれば、
二つの世界全体が重ね合わせになっていて、世界Aと世界Bは確率空間上にあることとなる。(続く) コペンハーゲン解釈と多世界解釈(その2)
コペンハーゲン解釈なら量子もつれは不思議だが、多世界解釈なら不思議ではない。
コペンハーゲン解釈ならば、観測して電子Aのスピンの状態が収縮した瞬間に、観測していない電子Bのスピンの状態も収縮する。
それはきわめて奇妙なことである。
ところが、多世界解釈ならば、観測した瞬間に二つの世界に分岐することとなるので奇妙ではない。
二つの世界とは、(1)「電子Aのスピン上向き&電子Bのスピン下向き」の世界と(2)電子Aのスピン下向き&電子Bのスピン上向き」の世界である。
電子Aのスピンを観測して上向きだったのなら、(1)の世界であるというのが判明したので、電子Bのスピンが下向きとなるのは必然である。
どちらかの世界が選ばれるだけなので、奇妙な遠隔作用を考える必要はない。
観察による波の収縮という奇妙な仮定をコペンハーゲン解釈では加えなければならず、
検証しようのない分岐した世界という仮定を多世界解釈では加えなければならない。
どちらの解釈も脛に傷持つ身で、先端の物理学者もどっちつかずというのが現状のようである。(続く) 今日はここまで。
なお、いままでの書き込みでネット上からコピペしたことは一切ないが、
前々スレや前スレで自分が書いたものに関しては加筆修正して用いている。 ノークローニング定理
どういう状態かが分かっているのなら、そのコピーをつくることはできる。
ところが、量子状態は確率論的にしか分からないので、どんな量子的な状態にあるかを調べるために観測を行ったとする。
そうすると、波の収縮が起きるにせよ、世界が分岐するにせよ、量子状態は壊れてしまい元には戻れない。
だから、情報の正確なコピーはできないというノークローニング定理が導かれることになる。
ノークローニング定理は盗聴防止技術に応用することが期待されている。
量子暗号を用いれば、送信中の鍵をコピーしようとしても盗まれないことになるからである。(続く) ダークマターの存在証拠とスピンのエネルギー準位
ある目論見のために一連の書き込みを続けているが、この項目はその目論見とは関係ない。
量子もつれの項目のところで、粒子のスピンについて触れたので、それに関係していて。前スレで書く機会のなかったことに言及する。
前スレのレス番555で、エネルギー準位の種類を挙げた。
そのうち、原子やイオンにおける核外電子のエネルギー準位の例は前スレでいくつも挙げたし、
分子における振動や回転のエネルギー準位の例は前スレで観測衛星いぶき2号に言及したときに書いた。
だが、スピン軌道のエネルギー準位の例はなかったので、ここで挙げておこう。
前スレのレス番267でダークマターが存在している証拠として、次のようなことを書いた。
銀河周辺部でも恒星の回転速度は遅くならず、銀河中心からある程度離れれば、それ以後はほぼ速度が一定となる。
分かりやすいように恒星の回転を挙げたが、銀河の中に存在している中性水素の回転のほうが実際にはよく取り上げられる。
ただし、中性水素そのものを観測しているのではなく、それが放出する波長21cmの電波を観測している。
中性水素とは核外電子を失っていない普通の水素原子のことで、
電子を失っている電離水素や水素分子と区別するため、天文学ではあえてそういう物言いをする。
中性水素は1個の陽子と1個の電子からなる。
その2つのスピンの状態が逆向きであるときが基底状態で、同じ向きであるときが励起状態である。
励起状態から基底状態へ遷移するとき、中性水素は波長21cmの電波を放出する。
( (3.00×10^8) ÷0.21≒1.4×10^6から、周波数は約1.4GHzとなる。)
その電波の波長変化を調べることで、ドップラー効果から回転速度は求まる。
1個1個の中性水素が出す電波は微弱だが、水素は宇宙で最も豊富に存在する元素なので、
銀河内でも大きな集団で回転していて、観測しやすい強度の電波となっている。(続く) インフレーション理論と超弦理論(超ひも理論)とマルチバース
単純なビッグバン理論では説明できないことがいくつかある。
宇宙の一様性問題、宇宙の平坦性問題、モノポール問題、密度ゆらぎ問題などである。
これらを解決してくれるのが、宇宙の超初期のころには指数関数的に空間が膨張したというインフレーション理論である。
宇宙の一様性問題は地平線問題とも呼ばれ、インフレーション理論による解決法については前々スレの193〜196に一応書いている。
インフレーション理論を認めると、マルチバースの存在も必然的に認めざるを得なくなるという。
インフレーションがいったん起これば、起こった領域内ではとどまらない。
我々のいる宇宙の外でインフレーションが続いていると考えなければならず、そこから必然的に別の宇宙も生まれることになる。
しかも、それは無数に起きるので、我々の宇宙universeの外には無限の宇宙multiverseが存在していることになる。
また、超弦理論でもマルチバースの存在を主張している。
それによれば、物理法則が異なる(基本定数が異なる)宇宙が少なくとも10^500(10の500乗)程度存在しているという。
137億光年を半径とする観測可能な宇宙には銀河が千億個あり、
一つの銀河には平均して千億個の恒星があるという話を聞かされたら目がくらむが、
それでも恒星の数は10^11×10^11=10^22(10の22乗)だから、
超弦理論の予言する10^500(10の500乗)という宇宙の数は想像も絶するほど大きい数である。(続く) 宇宙定数(宇宙項)
前々スレのレス番294で、ダークエネルギー密度の観測値と理論値について書いた。
ダークエネルギー密度は宇宙定数に関係しているので本質的には同じことではあるが、
啓蒙書やテレビなどでは宇宙定数のほうがよく取り上げられるので、ここでは宇宙定数で同じことを試みる。
以前に宇宙定数を避けたのは、その単位が説明しにくかったからである。
そこで、次の式を挙げる。
b^2/a^2+Kc^2/a^2=8πGρ/3+Λc^2/3
宇宙は等方であるという宇宙原理を仮定してアインシュタイン方程式を単純化したときに得られる二つの式のうちの一つである。
ここで、Λが宇宙定数を表している。
aは宇宙の膨張率を表すスケール因子で無次元となり、bはその時間微分である。
b^2/a^2の次元は[s^-2]となるので、それがΛc^2/3の次元に等しいことから、Λの次元は[m^-2]となる。
宇宙定数は斥力をおよぼして加速膨張させる作用があり、それはダークエネルギーによるものだと考えられている。
また、物質(通常物質とダークマター)密度を上の式のρは表していて、ダークエネルギー密度も同じ形となるはずである。
したがって、8πG×(ダークエネルギー密度)/3=Λc^2/3と置け、Λ=8πG×(ダークエネルギー密度)/ c^2となる。
宇宙定数の観測値はネット検索しても見つからないので、
以前に挙げたダークエネルギー密度の観測値7.0×10^-27[kg・m^-3]を用いると、二行上の式から1.3×10^-52[m^-2]と求まる。(続く) 今日はここまで。
宇宙定数の理論値については今日中に書きたかったが、明日に回す。 宇宙定数(宇宙項) (その2)
万有引力定数G、ディラック定数h、光速cという3つの普遍定数を組み合わせて求めた量を理論値と言い方をよくする。
ただし、理論から予想される基本となる最小単位といったほうが個人的にはいいと思う。
たとえば、前々スレのレス番295で、プランク長さとプランク時間を求めたが、それらは最小単位となる。
プランク長さは超弦理論における弦のおおよその長さで、この世界での最小の長さである。
プランク時間は宇宙始まりのおおよその時間で、この世界での最小の時間である。
なお、ディラック定数とはプランク定数を2πで割ったものである。
(hだとプランク定数を表すことになってしまうので、本当はディラック定数のhの上部にはバーを入れたいところではある。)
G、h、cの単位は[kg^-1・m^3・s^-2]、[kg・m^2・s^-1]、[m・s^-1]である。
(G、hの単位はニュートンの万有引力の式、光量子仮説のエネルギーと振動数の関係式から求めればよい。)
Λ=G^x h^y c^zとして、次元解析を行うと、
―x+y=0、3x+2y+z=―2、―2x―y―z=0から、x=―1、y=―1、z=3と求まる。
よって、Λ= G^-1h^-1c^3 = c^3/Gh となる。
G=6.67×10^-11、h=1.06×10^-34、c=3.00×10^8を代入して(hはプランク定数ではなく、ディラック定数であることに注意。)
Λ=3.81×10^69[m^-2]と求まる。
(測定値)/(理論値)=(1.3×10^-52)÷(3.81×10^69)=3.4×10^‐122となる。
さて、これがとんでもないことだというのはお分かりだろうか?
理論から予想される最小値よりも、観測から求められる実際の宇宙定数の値は120桁以上も小さいということとなるのだから。 宇宙が加速膨張しているとようやくわかったのが20年ほど前ということからわかるように、その加速膨張の値は小さい、
もしあり得べき宇宙定数の値なら、おそらく原子すらも引き裂かれてクォークとなり、
人間を含めた生物の存在どころか星やガス雲すらも存在できなかったはずだ。
では、われわれ人間が存在できるのは、いかなるトリックによるものか?(続く) 人間原理
我々の宇宙の宇宙定数の値は生命の存在を許すという絶妙な値を取っている、しかもあり得べき本来の値から120桁もずれて。
もし宇宙定数が一桁違っていれば、人間どころかも星さえも存在できないという。
宇宙がかくも人間にとって都合よくできているは人間が特別な存在だからであるという選良意識が生まれてもおかしくはない。
そういう考えを「強い人間原理」という。
宇宙が一つならそれは奇跡だが、インフレーション理論や超弦理論によるマルチバースを考えれば不思議ではない。
特に、超弦理論では物理定数が異なる宇宙が10の500乗も存在していることを主張している。
10^500 >> 10^120なので、宇宙定数がきわめて小さい値を取る宇宙は数多く存在するだろうし、
さらにその中で生命体を生み出せる環境となる宇宙もいくつか存在するはずである。
我々のいるこの宇宙は生命体を生み出せるうちの一つだったわけだ。
そういった宇宙の中の地球という星でたまたま生命が誕生し、人間という知性を持つ生物がたまたま誕生した。
そして、宇宙はかくも人間にとって都合よくできているのかという疑問を持つようになった。
生命存在が不可能な宇宙なら、最初からそういう疑念を持つ者すら存在していない。
ここに「強い人間原理」は否定される。
数ある宇宙の中で我々の宇宙は生命を生み出せるようになっていたので、我々を生み出したというのは必然的であって、奇跡でも何でもない。
だが、我々の宇宙が生まれるためには、生命どころか星すらもつくることのできない夥しい数の宇宙が捨て駒になっている。
人間は特別な存在であるということを消極的にはそれは示唆しているようにも思える。
だから、それを「弱い人間原理」と呼んでいる。(続く) ブラックホールに落ちていった物質の情報の復元
情報が消え去ることはないというのが物理学上の基本的なルールである。
たとえば、本を燃やせばその情報はすべて失われてしまうはずだと考えたくはなる。
ところが、燃やされた後に残る灰や煙の粒子や燃やしたときに出る光子などはその情報を全て保持している。
それを調べつくせば、燃やす前の本の情報を復元することが理論上はできるというわけである。
ブラックホールに本を投げ入れた場合でも同じように考えることができる。
ブラックホールに落ちた本はその強大な重力でバラバラになると同時に、外へホーキング放射をする。
その放射の情報を調べつくせば、同様に復元できる。(続く) ブラックホールの地平面と観測可能な宇宙の地平面の類似
ブラックホールの中に入るためには、いわゆる事象の地平面を通過しなければならない。
通過する当事者と外部にいる者とでそのときの様子は見え方が異なる。
母船Aがブラックホールの近くにいて、有人探査機Bがブラックホールの中に入るとする。
Bから見れば、有限の時間で事象の地平面を通過する。
ところが、Aから見ると、強烈な重力による一般相対論の効果ためBの時間の進み方はしだいにゆっくりとなり、
ついには事象の地平面で時間の進みはゼロとなる。
そうすると、無限の時間がかかることになり、Aから見ている限り、Bはその表面を通過することはない。
それは次のような現象に似ている。
インフレーションにおける宇宙膨張のとき、観測者Aと観測者Bとが離れる速度は徐々に大きくなり、ついには光速よりも速くなる。
(空間の膨張速度は光速度を超えてもかまわない。)
そのとき、Aの視点ではBはどのように映るか?
音のドップラー効果で音源の遠ざかる速度が大きくなるときに波面の広がりも大きくなり、波面を受け取る間の時間が長くなる。
光の場合は相対論の効果も考慮する必要はあるが、定性的には同じようなものである。
そうすると、Bが離れる速度が速くなるにつれて、Aから見たBの時間はゆっくり進むようになる。
ここで注意すべきことは、Aから見たBの速度は光速度を超えることはないということである。
その速度が光の速度を超えれば、BからAには光は届かないからだ。
そして、Aから見たBの速度が光速度となったとき、Aから見たBの時間はついに止まってしまう。
ブラックホールの事象の地平面の内側も観測可能な宇宙の地平面の外側も信号を受け取ることができないことでは共通している。
ブラックホールの外側や観測可能な宇宙が我々にとっては認識できる世界である。(続く) 宇宙はどこまであるのか(その1)
宇宙はどこまであるのか?
やはり、最後はそれを避けるわけにはいかないだろう。
とはいえ、おそらくは永遠に謎のままかもしれない究極の難問題に明確な答を出せるわけがない。
そこで、今まで見聞きしてきた中で最も驚愕した説を紹介することでこのスレを閉めようと思う
それは、前スレでも話題にした「日経サイエンス」の去年の9月号(だったと思う)で掲載されたもので、
インフレーション理論におけるマルチバースと多世界解釈とを等価とするというものである。
かなり難解なので、これまでの一連の書き込みは少しでも分かりやすくするための布石だった。
ブラックホールに落ちた本は外へホーキング放射をして情報が外へ漏れるといったようなことを>>48に書いた、
ただし、それは外部の観測者Aから見たときにおいてである。
本と一緒にブラックホールに落下する観測者Bから見れば、自分と一緒に本はブラックホールの内部にとどまり、その情報が外に出ることはない。
ここで、ノークローニング定理から、情報のコピーは禁止されている。
だから、同じ情報がブラックホールの内外で存在するのはおかしいことになり、どちらかが間違っているということになる。
ところが、二つを両立させる方法がある。
ブラックホールの外側の観測者Aにとっては内側の世界は存在せず、ブラックホールの内側の観測者Bにとっては外側の世界は存在せず、
どちらか片方だけの立場しか取ることはできないとすればよい。
二つの世界の間で信号のやり取りができないということからもそれは素直な解釈である。
両方の立場をとることはできないということでは、
ブラックホールの事象の地平面の内外と観測可能な宇宙の地平面の内外とは同じようなものであった。
ブラックホールの事象の地平面におけるホーキング放射に相当するようなものが宇宙の地平面でも起きることが理論的には分かっている。
つまり、観測可能な宇宙の地平面の内側ではその外の領域は存在せず、外側では内の領域は存在しないことになる。(続く) 宇宙はどこまであるのか(その2)
さて、インフレーションによって多数の子宇宙が生まれ、それらはさらに孫宇宙を生み続ける。
我々から見れば、存在するのは宇宙の地平面の内側だけであるならば、それらの泡宇宙はどこにあるのか?
インフレーションによる多数の泡宇宙は確率論的に発生していると見なせばよい。
そして、量子力学の多世界解釈で確率論的に分岐した世界とその泡宇宙を同一視すれば問題は解決できる。
多世界解釈で世界が分岐するたびごとにマルチバースの子宇宙が生まれ、さらに分岐すれば孫宇宙が生まれると考える。
つまり、泡宇宙は確率空間上にあり、実空間上にあるというわけではないと考えればよい。(続く) 宇宙はどこまであるのか(その3)
「日経サイエンス」を本屋で立ち読みして、すぐその後に喫茶店に入って印象が鮮明なうちにメモを取った。
購入してもよかったのだが、購入すればいつでも読めると安心感でいつまで経っても読まないと恐れてそうした。
取ったメモを元にして以上は書いた。
誤読している部分もあるかもしれないので、ご容赦いただきたい。
近くの図書館で借りて確認しようとも思ったが、紛失図書になっていて閲覧することはできなかった。
途方もない大胆な理論だが、IPMUの研究者にしてカリフォルニア大学バークレー校の教授という俊英(著者の名前は失念)が数式理論で検証して書いたものだということは強調しておきたい。
同時に、インフレーション理論も多世界解釈も仮説で、その二つを統合したものも仮説、それも有力ならざる仮説であるということも心得ておこう。
メモにも書いてあるのだが、個人的に腑に落ちない点が一つだけあった。
それは多世界解釈で分岐した世界を「確率空間」にあるとしている点である。
多世界解釈は決定論であると理解していたので、合点がいかない。
そこで、>>34の「コペンハーゲン解釈と多世界解釈」の項目では次のように書いた。
>ただし、その二つを外から見る超越者(=神)がいるとして、その超越者からみれば、
>二つの世界全体が重ね合わせになっていて、世界Aと世界Bは確率空間上にあることとなる。
そう書いてしまったことで、混乱の種を増やしてしまったかもしれない。
誤読しているかもしれないが、こちらの解釈を書いておこう。
そういう超越者の存在を、まずは、仮定している。
多世界解釈で分岐した世界も、観測可能な宇宙の内側と外側もそういう神超越者にとっては重ね合わせになっている確率論となる。
ところが、そういう超越者の存在を否定すれば決定論となり、我々の宇宙だけが実現したものとなる。
確率論ならば実現していないので、ノークローニング定理に反しない。
また、決定論ならば、我々の宇宙以外の宇宙は存在しないので、やはりノークローニング定理に反しない。
我々の宇宙の外に別の宇宙が存在しなければ神もまた存在しない、我々の宇宙の外に別の宇宙が存在すれば神もまた存在する。
換言すれば、神が存在しなければ我々の宇宙の外に別の宇宙は存在しない、神が存在すれば我々の宇宙の外に別の宇宙は存在する。
それを一応の結語としよう。(了) 謝辞
前々スレが立てられてから1年も経過した。
軽く書き込むだけにしようと最初は思っていたが、ディープに関わることになってしまった。
いろいろとあったが総じて楽しかった。
まずは、このスレの切っ掛けとなったブログを書いてくれた河田陽菜さんに感謝する。
また、譬えのネタとしたり、ブログ内容を話題にさせてくれたりした長濱ねるさん、上村莉菜さん、丹生明里さんにも感謝したい。
特に長濱さんは当スレだけでなくいろんなスレでネタにさせてもらっている。
今までの一連の書き込みにも関係するパラレルワールドをテーマとして、以下↓の小説スレで主人公になっていただいた。
https://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/keyakizaka46/1498988596/
Ctrl+Fキーで「ブレーンワールド」を検索すればすぐに見つかるので、興味のある人は読んでほしい。 また、書き込みに参加してくれた人にも感謝したい、
何人かは印象に残っている。
FPS視点とTPS視点という面白い話題を提供してくれたdion軍さん。
ネアンデルタール人が取り上げられたときに参加してくれた切れのいい文章のcatv?さん。
自分の言葉で自由な発想を誠実に深く記してくれて長く付き合ってくれた千葉県さん。
どうもありがとうございました。
なんといっても最初のスレッドを立ち上げてくれた京都府さんには特に感謝したい。
「京都府」や「茸」だけでなく「pc?」や「地震なし」や「玉音」に名前を変えての書き込みで盛り上げてくれた。
ニュースや間近のテレビ放送以外ではこちらから自発的に話題を振ることはなかったのでdat落ちする危機には何度も直面したが、
京都府さんがいろいろと振ってくれた話題に対するレスを書き込むことでスレは存続できた。
特に、前々スレで振ってくれた二つの話題は印象深い。
一つはレス番411で振ってくれた「重力が逆二乗の法則じゃないと破綻する」というもの。
けっこう難解な問いかけに高校物理程度さえ履修していれば理解できるように、レス番416では独創的な説明ができた自負している。
もう一つはレス番609で振ってくれた「どんなに離れていて大昔の姿を観測しても、繋がっているように感じるんだよな」というもの。
うまい譬えを使ったレス番611および612の解答も独創的なものだったと自負している。
ネットはきょくりょく見ず、自分の頭の中にあるオーガナイズされたデータベースの中から選択して組み合わせて書いているが、
本(専門書か啓蒙書かを問わず)やテレビやラジオなどで理解したものを元にしているので、
知っている人にとっては当たり前のことでしかないものも多かったとは思う。
そんな中でいくつか独創的なものを書けたのは京都府さんとのやり取りの化学反応のおかげである。
では、これでホントに本当の最後です。
もうこのスレは閲覧する意思はないので、呼びかける人が誰かいても書き込むことはありません。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています