加藤勇介
2018年9月24日16時31分
写真・図版
公開中の映画「響―HIBIKI―」
 アイドルグループ、欅坂(けやきざか)46で不動のセンターを務める平手友梨奈さん。初主演の映画「響―HIBIKI―」で天才女子高生作家を演じた。旬の17歳の魅力を、「響」の月川翔監督に聞いた。

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こびないオーラで場を支配 映画「響」主演の平手友梨奈

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 彼女の独特なキャラは、つくられたパブリックイメージで神格化され過ぎた面もあると思っていました。でも、一緒に仕事をしてみると本当にそのままでした。
とにかく曲げない、こびない。自分が納得しないことには決して「はい」と言わない人です。

 実は映画を撮るまでは平手さんのことをそんなに存じ上げていなくて。名前も一致せず、欅坂46のセンターの子、PVをみてこの子はすごいなと思っていたぐらいです。
配役で名前が挙がってから調べると、大変な人じゃないかと……。そして映画の打ち合わせで初めて会った時もほとんど話してくれず、本当に大変だと覚悟しました。
「原作漫画を読んでどうでした?」と聞いても、返事は「かっこよかったです」の一言だけ。
不用意なことは言わないんですね。最初はコミュニケーションを取るのにも苦労しましたが、同時に今回の映画「響―HIBIKI―」の主人公・鮎喰響そのもののようで、彼女なしには撮れないと確信するようになりました。

 2回目に会った時もほとんど僕が話していたのですが、帰りがけに平手さんが私の目をまっすぐ見つめて「監督は最後まで私と向き合ってくれますか?」と。「はい」と答えるのにとんでもなく緊張しました。

 演技は初めての新人さんなので撮影に入る前にリハーサルをしましょうとお呼びしたら、開口一番に「今日はリハーサルはやれないです。監督と2人で話したいです」と。
リハーサルは中止して、2人で何時間も話すのを繰り返しました。僕自身の弱みをみせて話すうちに少しずつ心を開いてくれて、気づくと丸腰にされていたような感じでした。
そこから彼女からもようやく色んな言葉を引き出せるようになってきて、作品の話ができるようになりました。

 最初に「演技の何が不安?」と聞いたら、「うそをついているようで嫌です」と。「今まで平手友梨奈としてうそをつかずにやってきたから、演技をすることで今までやってきたことが台無しになってしまうのが怖いです」と言うんですね。

 台本を読んでもらった時は、声…

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https://www.asahi.com/articles/ASL9N67G6L9NUCVL01Q.html
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