表現力って言葉は昔から芸能界にはあったんだよ。
女優などが演技する時に演技力の一部分として表現力があったり
フィギュアスケートなどでも表現力は言われてた。
歌手なら美空ひばりやMISIAは歌唱力とは別に表現力も評価されてた。

でもダンス界に表現力は無かった。
むしろバキバキでキレキレの激しいダンスが評価されたり
グループダンスなら、みんながピッタリ揃ってるダンスが評価されてた。

その証拠に80年代にダンスを世界に広めたマイケル・ジャクソンを評価する言葉は「キレ」だった。
キレキレのダンスこそが凄いとされた時代だ。

日本でも90年代にダンスブームが起こって
ダンスが注目されて出てきたTRF、安室奈美恵、ZOOなどは
キレキレと評価されたが、表現力という言葉で評価されたことはなかった。
そもそも彼らは世界観を表現するタイプのダンスではない。
ただリズムに合わせて踊ることが全てであって
何かを表現する段階には入ってない未熟なダンサーだった。

2000年代に入るとダンスブームが一気に終息した。
10年代になるとアイドルグループブームがやってきたので
ダンスが再び注目されるようになったが
AKBがヘビロテや恋チュンで大ヒットしても
星野源が恋ダンスで大ヒットしても
表現力が言われたことはなかった。

しかし平手友梨奈がサイレントマジョリティーでデビューしたら情勢はガラッと変わった。
「平手の表現力が凄い」と各所で言われて
ダンス界にとって踊る技術以外にも、表現力という技術があることが発見されたのだ。
人類が火を発見したり、電気を発見したのと同じ次元で
平手のおかげでダンス界は表現力を発見した。

今回のガクたびで高校ダンス部に潜入したら
関東優勝校のダンス部の外部コーチが
「ただ上手く踊るだけじゃなくて表現力を付けなさい
あなた達に足りないのは表現力だ」と言った。

審査員のSeishiroやCRE8BOYが審査のコメントを出す時に
どっちも表現力がどうたらって言ってる。
ダンスを評価する時に正確に速く踊るだけじゃダメな時代になったのだ。

平手友梨奈はマイケル・ジャクソンが作ったダンス界の価値観を変えてしまった。
マイケルを超えた瞬間だ。
ダンスの神となった。
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