ベリカベーカリー
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なーこ「くださいな」
ベリカ「あ、なーこちゃん、いらっしゃいませ」
なーこ「今の一押しはどれですか」
ベリカ「私の写真集の予約受付中です」
なーこ「パンにしてほしいな」 なーこ「リカちゃん接客大丈夫なの?」
ベリカ「…うん」ポチッ
『いらっしゃいませ』
なーこ「何これ?」
ベリカ「店内放送。スイッチで流れるの」ポチッ
『毎度ありがとうございました』
ベリカ「これに合わせて口パクすれば大丈夫」
なーこ「大丈夫なの(笑)」
ベリカ「欅坂で練習してきたから」
なーこ「こらこら」 なーこ「今度さ、私から開店祝いさせてよ」
ベリカ「ありがとう」
なーこ「ツナサンドに使えるように、マグロ解体ショーを…」
ベリカ「…またやりたいだけでしょ」 なーこ「でもさ、本当にパンおいしかったよ。どうやったらうまく作れるのかな?」
ベリカ「…努力だよ」
なーこ「…言ってみたかっただけでしょ(笑)」
ベリカ「うん」 『いらっしゃいませ』
『ただいまクロワッサン焼きたてです』
『次のお客様どうぞ』
なーこ「セリフふえたね」
ベリカ「うん」
なーこ「あ!ピンマイクつけてる」
ベリカ「口パク用に」
なーこ「わざわざ買ったの?(笑)」
ベリカ「次の収録で返す」
なーこ「けやかけのもってきちゃダメでしょ」 てち「あんぱんとメロンパンください」
ベリカ「お会計299ベリカです」
てち「300ベリカで」
ベリカ「5ぺーのお返しです」
てち「ぺーになってるし」
ベリカ「ベリカカードはお持ちですか?100ベリカで1ぺー貯まります。」
てち「持ってるのでいいです」 なーこ「このパン、『もんた』っていう名前なの?」
ベリカ「栗の入った蒸しパンなの」
なーこ「なるほど(笑)。この『あおい』は?」
ベリカ「ごぼうサラダ入り」
なーこ「『にじか』もある」
ベリカ「チョコパンだよ」
なーこ「この『ホワイトルーム』は?」
ベリカ「クリームパン」
なーこ「最後だけネタ古すぎない?」 ベリカ「中にはキャビアがたっぷり!アオコパン発売中です!」
なーこ「いくら?」
ベリカ「46000円!」 ネット販売はベリカン便のジャンピングレボリューションでお届け… かとし「なーこちゃんがベリカベーカリーに行ってきたんだって」
きょんこ「え?もう始まってんの?始まってんの?」
くみ「で、どうだったのかな?美味しいの?」
かとし「うん。『ぺーちゃんのパン、いいよ!』って言ってた」
きょんこ「略すと『ペチャパイよ』だね」
くみ「略すなよ」
かとし「自虐かよ」
きょんこ「いいなあ、パン大好きなんだ〜私も行きたいなあ〜」
くみ「あんたはラーメンでしょ」
きょんこ「パンブログもやってるんだよ。パン好きだからあちこち食べ歩いてる」
かとし「じゃあ、最近の一押しは?」
きょんこ「デニーズのセットに出てくるやつ」
くみ「…ラーメンブログと同じにおいがする」 なーこ「nanacoは使えますか」
ベリカ「はい」
ねる「Pontaは使えますか」
ベリカ「いいえ」
もん「モンタは使えますか」
ベリカ「意味がわかりません」 ある日のこと、確かフランスパンの生地の発酵が終わって、これからその生地を伸ばそうとしていたときだったと思う。
ひとりの女の子が店に入ってきた。
その日は大雨のせいで、客足が遠のいていたから、パンがまだ売れ残っていた。
彼女は店に入るなり濡れた長い髪をタオルで拭い、横にあるトングに見向きもせず突っ立っていた。
キョロキョロと周りを見回し始めたので、何か目当てのパンでも探しているのかと思ったが、視線がちょうど私のところで止まった。
「いらっしゃいませ〜」
私は生地を片手に言った。その時は彼女がただのお客さんだと思っていたので、再び生地を捏ね始めた。
3回ほど生地をプレスしたところで顔を上げると、まだ彼女はこっちを見ていた。
目が合うと、彼女は何か言いたげに口を少し開けた。
「あの‥何かお探しですか?」私は聞いた。
彼女は黙って首を振った。そしてギュッと両手を握って、ようやく口を開いた。
「あの、アルバイトの募集ってしてますか?」
「ああ、アルバイトですか。座って」
私の店は開店して半年の個人経営であるため、アルバイト制度はとっていないはずだった。
ところが、なぜか彼女を目の前にして、「今、立ち去ってほしくない」という衝動にかられたのだ。
彼女の動きには何か特別なものがあった。
上手く説明できないが、言動、仕草、雰囲気が何となく異様で、何かが特別だった。
そして、彼女と私の間に何かしらのシンパシーを感じた。
私は彼女を厨房の隅のテーブルに案内し、メロンパンとフランスパンを皿にのせて、アールグレイと一緒に彼女へ差し出した。
「実を言うとね、アルバイトは募集していなくてね。見ての通り、この規模でほそぼそとやっているから。」
「そうですか‥」
「でもせっかく来てくれたんだ、せめて志望動機だけでも知りたいな。何でまたこんな小さな店に?」
「このパンが好きだからです。」
彼女は笑顔で目の前のパンを指差した。
私は嬉しかった。
フランスパンというのは、小麦粉、水、塩、イーストだけの単純なつくりだが、奥が深い。
だからフランスパンを褒められれば、パン屋としてこれほど嬉しいことはない。
「なるほど。まあ、食べて」
「いただきます」
彼女は小さい声でそう言うと、フランスパンではなくメロンパンの方を手に取った。
どうやら、先ほど彼女が指差したのはメロンパンの方だったらしい。
「メロンパンが好きなの?」
「はい!」
これまでの小さな声は何だったんだというくらいの、大きな返事が帰ってきた。
そして、その輝いた瞳を見た時、彼女がとんでもない美人であることに気がついた。
途端に彼女の一挙手一投足が愛おしく見えた。メロンパンを食べる仕草はとてもかわいいし、紅茶を飲む所作はある程度の品格が伴っている。
やはり、私に似ている。
彼女はメロンパンを食べ終わると、財布から小銭を取り出し私に差し出した。
「いいよ。これはプレゼント」
「ホントですか!ありがとうございます。じゃ、そろそろ‥」
「待って。名前は?」
「みなみです」
これは、わたし「ベリカベーカリー」店長渡辺梨加と、とある少女みなみちゃんとの、ちょっとした出会いのエピソード。
女優ぺーちゃんならこのくらい話せるはず ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています