日本国内で自衛隊が出動できる法的根拠は「災害出動」と「防衛出動」である。

災害出動は、自然災害時における人命救助・行方不明者捜索・物資供給・復旧作業・二次災害防止などへの協力であり、
被災地の都道府県知事の要請があれば出動できる。

防衛出動とは、他国の軍隊や武装勢力による日本国土に対する急迫不正の侵害やその恐れを排除するためのもので、
内閣総理大臣の命令が無ければ出動できない。
「戦闘」が「戦争」に発展する恐れもあるため、極めて慎重な判断が必要で、かつ非常に大きな責任が伴う。

では、もし東京にゴジラが出現し、これを自衛隊の武力で撃退する必要に迫られたとき、
自衛隊はどんな法的根拠に基づいて出動するのだろう?

誰かが操っているのでなければ、ゴジラは野生動物であり、ゴジラによる被害は「自然災害」だ。
規模は桁違いだが、基本的には「イノシシが畑を荒らしている」の延長線上にある話だ。
ゴジラを倒したところで、それは日本国内だけの問題であり、他国との戦争に発展することはない。

ってことは、このケースは「災害出動」と考えるべきなのか。知事の要請だけで出動できるってことなのか。

しかし、ゴジラの撃退とは、ミサイルや砲弾という「武器」を使う「武力行使」なのである。
自衛隊の強力な火器を都市で使用するのに、知事の判断だけでいいのか。「防衛出動」でいくべきなのではないか。

とは言っても、やっぱりこれ、「自然災害」だし・・・・・・