>>71の続き)

それが

去年の末

この木馬館に
拾われた

朝から晩まで
五分ごと

監督さんの
合図でラッパを
吹き鳴らす」

(以下略)

ここまでの2ページで、十分切なくなってしまう。

この『ハモニカ文庫と詩の漫画』の漫画すべてがこんな調子だったら、
たまったものではない。
が、幸い、切なさの度が高いのはほぼこの一編だけで、後の漫画は
山川氏本来の作風であろう、淡々とした日常が描かれている。逆に言うと、
そのためにかえって、この一編の印象が際立つ。忘れがたい名編といった感じだ。