夢の対決を制したのは、タイソンだった。初回からプレッシャーをかけて接近戦を展開。しかし、アリの左フックを被弾してダウンを喫した。序盤から乱打戦となり、タイソンは2回に右フックでダウンを奪い返す。5回にも右で2度目のダウンを奪い、ペースをつかんだ。終盤は息を吹き返したアリの猛攻を受けたものの、ジャッジ3者が114-111をつけて3-0の判定勝ちだ。

 海外メディアも本物の試合のように報じてきた“eWBSS”。Xboxのボクシングビデオゲーム「ファイトナイトチャンピオン」を用いて、WBSSが開催したトーナメントの一戦だった。ボクシングに飢えたファンの心を少しでも満たそうと、ヘビー級のレジェンド級ボクサー8人による夢の対戦をゲームで実現させたのだ。

 WBSS公式ツイッターは公式インスタグラムに激闘の様子の画像4枚とともに「ニュース:“e最強”はマイク・タイソンに。eWBSSヘビー級レジェンドトーナメントでモハメド・アリを破る」と投稿。コメント欄にはファンの反響が集まっている。

「トーナメントが行われていた間、エンターテインメントとして楽しめただけでなく、このゲームが欲しくなっちゃたな……」
「何だって、アリの手にトロフィーが渡らなかったのか」
「すべてのボクサーの中でアリを倒せるのはタイソンだけだ」
「番狂わせだ」
「冗談だろ!!」
「とんでもない」
「すべてデタラメだ」
「タイソンがアリに勝つなんて笑いごとだと思う人いる?」

 現実世界では興行の中止や延期が相次ぎ、感染症収束の兆しが見えない状況。ファンにとっては熱狂できる時間だったようだ。