太刀山は全勝5回のほかに土つかず5回、栃木山は全勝2回のほかに土つかず6回がある。
栃木山の場合、大正6年5月の(9勝)1預は実質的な勝ち(陰星)とされ、大正8年1月の(9勝)1休は相手(朝潮)の休場によるもの。他に8勝1分1預、9勝1預、9勝1分、10勝1分がある。
預は現在なら取り直しとなるケースでも負ける可能性は低い。
また、東西制の事情から、実力上位の相手に対して最初から引分に持ち込もうとする場合が多かったと考えられる。
不戦勝制度ができ、引分・預がほとんど考えられなくなった昭和以降の土俵なら、太刀山も栃木山も全勝が8回前後できた可能性がある。
双葉山の全勝回数を他の強豪に比して特別突出しているように評価するわけにはいかないと思う。