空軍のLSA選定の舞台裏
https://spacenews.com/air-force-funding-three-new-rockets-to-compete-with-spacex-but-only-intends-to-buy-launch-services-from-two-providers/

今回のフェーズでは、当確と見られていたスペースXは選ばれなかった。
LSAは空軍がロシア製RD-180への依存を終わらせるための計画だ。
いつくかの段階を経て、最終的に2社が選ばれる。
その2社は、その後5年間に渡り、一定数の軍事衛星について、6:4の割合で発注を得られる。

空軍は今回の決定でスペースXが漏れたことについて、その理由も、
またそもそもスペースXが今回エントリーしていたかどうかも、一切コメントできないとしている。
スペースX社も取材に対して、沈黙を貫いている。

次の段階は、どうなっているのだろうか?
次は「フェーズ2」と呼ばれる、最終選考となる。
今回選ばれた3社は、必ずフェーズ2にエントリーしなければならない。
さもないと、受けた資金を全額返却する義務がある。

さらにフェーズ2は今回と異なり、オープンエントリー制であり、エントリー内容は公開され、
またスペースXなど落選者・不参加者もエントリーできる。
そしてスペースXは、ファルコン9およびファルコンヘビーでフェーズ2にエントリーすると見られている。

関係者によると、今回スペースXはそもそもエントリーしていなかった可能性が高いという。
というのも、今回のラウンドは、LSA有力候補に開発資金を援助する性格のものであり、
ファルコン9/ヘビーは既に完成・運用されているため、開発援助が必要ないからだ。
一方、BFRについては、空軍には必要ないものだ。
軍は衛星のコンパクト化・多数分散化を志向しており、巨大衛星を目指しているわけでは無いからだ。

フェーズ2の公募は、今後2〜3ヶ月以内に行われるだろう。
この関係者は、フェーズ2では、少なくともULA社かスペースX社のどちらかが含まれる、と予測している。
この2社だけが、軍事衛星打ち上げに実績を持っているからだ。
ULA社はボーイングとロックマートの合弁会社だが、政府の軍事衛星打ち上げのために作った会社であり、
彼らを排除することはできないだろうとも予測する。もし落選すれば、ULAは潰れるしかない。

もし、ノースロップグラマン社が選考から漏れた場合、彼らはまた別の政府資金の目がある。
なお、オメガロケットは、2021年完成を目指している。
また、ブルーオリジンに関しては、CEOが大富豪でもあることから、開発の継続に心配はいらない。
むしろBO社を入れることで、ULAなどに発破をかけ、競争心を持ってもらいたいのだ。


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総合的に考えれば、実績からファルコン9/ヘビー、業界事情からヴァルカン、
この2社が選ばれるだろうね。
ヴァルカン+オメガでは、実績が無さすぎて、軍事衛星には不安だ。
少なくとも1社は、実績あるロケットを混ぜておかないと。
またこの2社は、コストが相当高いだろう。
一方、ニューグレンは、完成が2022年くらいまでずれ込む可能性がある。