【AFP=時事】クウェートでメイドとして働いていたフィリピン人女性が殺害された事件をきっかけに、
同国で家事労働をしていた多数の女性たちがフィリピンの首都マニラに相次いで帰国している。
彼女のたちの多くは雇用主による虐待や暴力を経験しているが、
それでも再び国外で働くリスクを負う覚悟をしている。
自国の家族を養う必要性が、時として劣悪な環境やクウェート警察の目をかいくぐりながら
生活することの危険性を上回っているからだ。

富裕国クウェートで5年近く働いたというマリッサ・ダロットさん(40)は、
「雇用主の母親に暴力を振るわれました。厚底の靴で殴られ、体にあざができましたが、
それでもとどまりました」と語った。
クウェートで家事労働をする人々の環境をめぐる問題は、
フィリピン人のジョアンナ・デマフェリスさんが遺体となって冷凍庫から発見された
ことによって浮き彫りにされた。
激怒したフィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領は、
アラブ人らは雇ったフィリピン人女性らを日常的にレイプし、毎日21時間働かせ、
残飯を食べさせていると非難した。
クウェートで働くフィリピン人労働者は約25万2000人。
多くはメイドとして雇われており、虐待や搾取が横行しているという報告もある。