>>580
> Unlimitedで江戸川乱歩読んでいるけど、あの文体、身体に合わない
> でも、英語版があったら、それは面白いかも

Unlimited利用なら、乱歩の「黒蜥蜴」と「陰獣」を収録した英訳Kindle本を無料で読めるよ
(自分は乱歩の文体が大好きなので、逆に、どう英訳されているのかにも興味がある)

The Black Lizard and Beast in the Shadows
https://www.a;mazon.co.jp/dp/B07QBPM4YF

> 日本の小説の古いやつで、旧仮名遣いがあるとしらけるだろ 旧字体とかもだが

日本語の旧仮名遣いは、鎌倉時代の初期、藤原定家のころに成立したものだから、
800年ほどの歴史的継続性と一貫性がある

一方、現在の新字新仮名は、敗戦後GHQの命令により1年の突貫工事で行ったもの
だから、それ以前の継続性が失われ、突っ込むと矛盾している部分が色々とある

たとえば、通るは「とおる」が現代かなの正しい表記ではあるものの、「とうる」と発音し
ている人がけっこういて、通るを「とうる」と誤ったかな表記にする人も少なくない
しかし旧仮名では通るを「とほる」 と、ある意味実際の発音に近いかな表記をしていた
ため、通るを「とおる」と「とうる」に混同してしまうようなことはなかった

覆う(おほう)、凍る(こほる)、滞る(とどこほる)など、旧仮名では「ほ」と書かれた系列
のことばは、実際にも「お」と「う」の中間で発音されることも多いため、混同されやすい

敗戦後の国語改革は、日本語の学習を容易にする目的もあり、現代の発音と表記を
一致させる表音式仮名づかいを目指したものであったものの、上のような混同を始め、
「ず」と「づ」、「じ」と「ぢ」など同じ発音の仮名が2つあったり、「は」を「わ」、「へ」を「え」
と読ませたりで、表音式という目標は挫折したまま中途半端な変更に留まっている

理由は、無理に表音式仮名づかいにしてしまうと、さらに矛盾が発生してしまうため
そういう意味では、旧仮名づかいの方が歴史的一貫性もありずっと矛盾は少なかった

また、旧仮名は深堀していくと様々な日本語の歴史を発掘し研究する材料を提供して
くれるだけの内容が積み重ねられた存在でもある

下の本は、私たちが学校で習う国文法の基礎をきずいた国語学者、橋本新吉博士の
講演録で、江戸時代の国学者の研究をもとに古代の仮名づかい(万葉仮名)をたどっ
ていくと、当時の人たちがどういう発音(音韻)を使っていたのか推測できるというお話
日本語の文法体系を作り上げた学者だけあり、話の進め方が明快で子気味よい

橋本新吉 『古代国語の音韻に就いて』     無料
https://www.a;mazon.co.jp/dp/B009KS78US