事務所に所属するモデルの女性をアダルトビデオの撮影現場に派遣したとして、警視庁は 11 日、東京都渋谷区の芸能事務所の元社長ら男 3 人を労働者派遣法違反の容疑で逮捕したと発表した。

労働者派遣法違反の容疑で逮捕されたのは、AV プロダクション「 マークスジャパン 」元社長、村山典秀容疑者ら3人。

警視庁によると、村山典秀容疑者ら 3 人は、2013 年頃、マークスジャパンに所属していた当時 20 歳代の女性モデルを本人の意思に反して都内の AV 撮影現場に派遣した疑いが持たれている。

複数の女性が類似の相談をしており、マークスジャパン側も女性が嫌がっていることを知った上で撮影していたとみられている。

労働者派遣法は実際の行為を含む AV への出演を「 公衆道徳上有害な業務 」として規制しており、労働者派遣法違反を適用して強制捜査に踏み切るのは異例だという。

警視庁によると、女性との所属契約には AV 出演をほのめかす内容があったが、本人には契約書のコピーを渡さず、内容を知らせていなかったとされる。

女性が出演を拒否すると「 親に言うぞ 」「 違約金が発生する 」などと脅し、繰り返し強要され出演させられたという。

実際の AV の撮影は、労働者派遣法違反をはじめ複数の法令に抵触する可能性があるといい、AV は演技を撮影することが前提とされている。

過激な内容を謳う海外発のネットの動画配信サイトが拡大していることなどから、既存の大手メーカーでも同様の撮影が横行しているという。警視庁は、業界内で違法な撮影が常態化していたとみて実態解明を進める方針。

なお、人身売買罪の適用も視野に入れ捜査を継続して進める。