国内の患者数が16万人以上と難病の中で最も多く、激しい腹痛が続く
「潰瘍性大腸炎」を再生医療の技術によって完治できるようにしようという
世界初の臨床研究の計画を東京医科歯科大学の研究グループが、国の関係機関に提出しました。
来年春にも第一例目の手術を実施したいとしています。

潰瘍性大腸炎は、大腸内部の粘膜が炎症をおこし激しい腹痛や下痢を繰り返す難病で、
患者数は20代を中心に16万人以上と難病の中で最も多く重症化すると手術で
大腸そのものを摘出しなければならなくなります。

この難病の完治を目指そうと東京医科歯科大学のグループは、患者の大腸に粘膜の組織を作り出す
「大腸上皮幹細胞」を移植し、傷ついた大腸の働きを再生させる世界初の臨床研究の計画を
国の研究予算を統括する日本医療研究開発機構に提出しました。

計画では、患者5人の大腸からそれぞれ「大腸上皮幹細胞」を取り出し、1か月間、培養して
およそ100万個に増やしたあと再び内視鏡で大腸の傷ついた部分に移植します。

マウスを使った実験では症状を完治させることに成功していて、グループでは、今後、
法律に基づく委員会の審査を経て来年春にも第一例目の手術を実施したいとしています。

計画を提出した渡辺守教授は、「今回の方法を使えば手術をせずに症状を完全に治すことが期待できる。
多くの患者が悩む難病であり成功させたい」と話しています。


http://www9.nhk.or.jp/kabun-blog/200/266306.html
http://www.tmd.ac.jp/press-archive/20120312/index.html