http://www.uoeh-u.ac.jp/kouza/1geka/study3.html

研究概要:Monocarboxylate transporters (MCTs)は細胞内に蓄積した酸を細胞外に排出するポンプ機能を示し、細胞内のpHを維持するために作用しています。
我々は大腸癌組織におけるMCT4高発現 (Figure 3.)と臨床病理学的因子、予後を比較検討しました。
結果として、MCT4発現が腫瘍径、壁深達度、遠隔転移、stageに対して有意な相関を示すことを見出し、
単変量解析では腫瘍径、壁深達度、リンパ節転移、遠隔転移、stage、組織型、リンパ管侵襲、静脈侵襲、MCT4発現が有意な予後因子であることを示しました。以上の結果から、より進行した大腸癌では低酸素状態が惹起され、
MCT4が誘導されている可能性が考えられ、MCT4発現は大腸癌の転移や進展に関与にしている可能性が示唆されました。更に、
単変量解析ではMCT4高発現群で有意に予後が悪いことから、
MCT4が癌治療の分子標的になる可能性が示唆されました。今後、MCT4発現の作用メカニズムを行っていく予定です。