対象となる論文は、2013年1月1日から2013年12月31日までに、主要な臨床雑誌に分類されている専門誌に報告されたRCTをMedlineから抽出した。
研究内容は薬剤の有効性を評価するもので、医療器具や試薬などの研究は除外した。
メタアナリシスやサブ解析などの論文も除外し、1次研究結果を報告している論文を選んだ。
研究資金や研究者の利益相反が不明な論文も除外した。

 主要評価項目は、主任研究者と製薬会社の金銭的なつながりと試験の結果の関係に設定した。主任研究者は原則として、それぞれの論文の筆頭著者と最終著者とした。
製薬会社との金銭的な関係は、試験結果を報告した論文に記載されていたCOI情報と、その論文の公開前2年間にそれら著者が報告したその他の論文(Medlineから抽出)や
、Google、非営利・独立系報道機関であるProPublicaのDollars for Doctors(製薬会社、医療機器会社と医師との金銭関係に関する調査報道)、米特許商標庁からの情報を抽出した。

 薬剤の有効性に関する研究結果が仮説を支持した場合を好結果と判定した。
優越性試験の場合には、治験薬の優越性が示された場合、非劣性試験では治験薬の非劣性が示された場合を好結果とした。

 条件を満たした190論文の195件の研究(複数の有効性を評価した研究を含む)を分析対象とした。それらの52%はフェーズIIIで、69%が企業から資金提供を受けていた。
筆頭著者の38%は米国在住だった。
専門分野別では循環期が16%、癌が11%、感染症が11%、泌尿器科が7%、消化器が6%だった。94%の試験がclinicaltrials.govやその他の臨床試験登録に登録されていた。89%は優越性を示す試験で、75%が二重盲検試験、75%はプラセボ対照試験だった。