──嫉妬をする神としての行動。

それはファラオが彼を呼んだ話にしよう。

そうすることで口論の末、不満のない容姿を手に入れた彼に対し、
神の方が意見を曲げて生まれ変わらせた分を取り返す話にできる。

不満のない容姿を与えて生まれ変わらせた分は、
さらにその後も男性神の運命を好転させてゆく。

どうしてか?というのは、容姿というのは霊の世界であれば、
誰もが盗みとることができるものだからだ。狐が化ける生き物だと
云う風に云われている由縁はそこから来ているのだ。この世の狐の
話ではない。あの世にいる狐だけが誰かに化けれるという話である。

そして、ふたたび、かれを思い出そう。

── ヤスダのことだ。

彼は学校で最も人気がある男性だった。
その彼をあの世に呼んだ後、ヤスダに化けられる神が
もし、いるとするならば、その男性神は、将来、ヤスダを懐かしむ
死者に囲まれてハーレムを過ごすことができるのだ。

これは、どこまでがほんとうか解らない。
アダムが冗談で口走ったことだから、そこだけは冗談のまま、終わる話
なのかもしれない。

まったく──、冗談では無い話なのだが。