今日における人心の悪化と堕落は言語をもってして形容することもできないほどであり、
これを放任して社会の安定や、個人の幸福や、世の平和を願っても、それは不可能であるばかりではなく、逆に進めば進むほど、幸福や平和から遠ざかってゆくのである。

人にはみな心というものがあって、心がすなわち道であり、もし心をよく修めることができれば、それがとりもなさず道を修めることなのである。
何も深遠で不可思議なものではなく、難しいことでもないのである。

それは時間を消費する必要もなく、場所も必要とせず、ましてや、深山幽谷に師匠を訪ね求める必要もなく、
いつでも、どこでも、ただ自分から決心をして修めさえすれば、自然にだんだんと道に合うようになるのである。