ユウタ先生は、みんなに授業についての感想を書いてもらうわけだけど、別に正解があ
るわけじゃないし、何かを覚えてもらいたいとも思ってない。覚えろは忘れろの同義だ
と思ってる。視野を広げて、葛藤して、自分の考えを深めてもらいたいと思ってる。
それも、のんびりした雰囲気の授業で。だから、テストは絶対しないと決めてた。
青学など専門性の高い学科に配置された授業では、戦争は本当にしてはいけないことか?
ということを一年間、学生に質問し続ける授業をした。
シオラレオネでは、老若男女を問わず、両腕を切り落とす武装勢力がいたけど、それを
止めるために軍事力を行使することは、悪いことなのか?大虐殺が行われていた国に入っ
て、その政権を潰すことは間違っているのか?ベトナムのカンボジア侵攻は悪なのか?
人道的武力介入という概念は、間違っているのか?侵略者が攻めてきそうなときに、国を
守る戦争は悪い戦争なのか?では、日露戦争は、どうなのか?
ともかく、正解があるわけじゃなく、ユウタの意見に賛成・反対どっちでもいい。
むしろ反対のほうが、おもしろいと思ってる。
だから、山梨一年の授業に出てくるおばちゃんには、心底困っていたのです。予定調和的
な、つまらないことしか言わないし、しかも同調圧力が凄いし、子供に対する悪影響は看
過できないと思ってた。