人生でほんの少しだけあったリア充時期の話 [転載禁止]©2ch.net
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当時の思い出を書き綴ったらかなりの長文になってしまいました。
長文嫌な方はスルーお願いします。
創作や釣りだと判断されても結構です。書かせてください。
もう十年前の話。
当時、中学三年生。
ほんの数ヶ月、かけがえのない青春を経験させてもらった。
中学二年の終業式が終わり、地方に引っ越しをした。
引っ越し先は田舎でもない都会でもないって感じの中途半端な街だった。 中学二年の終業式が終わり、地方に引っ越しをした。
引っ越し先は田舎でもない都会でもないって感じの中途半端な街だった。
中学二年までの俺は、眼鏡をかけてボサボサの髪型。か細い体。成績良くない。
典型的なイケてない奴で、友達も全くいなかった。
たまにDQNっぽい奴からいじられるだけで、いじめらしいものは受けていない。
要するに、いてもいなくてもいい奴だった。
引っ越しをするときも、当然誰も見送りになんか来ないし
俺自身、友情というものが分からなかったし、別に要らないと思っていた。 中学三年の始業式から、引っ越し先の公立中学に転入した。
A組〜G組の計7クラスあって、いわゆるDQN校であることは生徒の感じですぐに分かった。
俺はG組に入ることになったんだが、担任から
「G組には問題児が数人いるから、何かあったら言いなさい」と言われた。
転校初日、クラスに入った途端に「うわ〜…」と思った。
まず目に入ったのが昔のヤンキースタイルのDQNが二人。
その他、今どきのDQNも目に入る。
こいつらとは後に仲間になるわけなんだけど。
「よろしくお願いします」と言うと
「ダセぇ奴が来たな〜」「なんだ〜かっこよくなーい」など、騒々しくなった。
そんな中、ある一人の男子生徒が大きめの声でこう言った。
「どっから来たの?」
その瞬間、クラスがシ〜ンとなった。
こいつがボスだと分かった。
そいつは、めちゃくちゃイケメンだった!
それはそれは男の俺から見ても感心するほどの美男子で、今どきの感じ。
「と、東京から・・・」と言うと
「そっか。よろしくな。」と言われた。
そのあとは、みんな口々に「よろしくー!」「よろしゅう!」などなど。
「どっから来たの」と聞いてきた男は、ケイスケ君(仮名)といった。 転校から1ヶ月は特に何もなかった。
でも決して前の学校生活と同じというわけではなく
何故かケイスケ君は俺によく声をかけてくれて
それに同調するかのようにDQNグループや女子も俺に気さくに声をかけてくれた。
ちなみに俺のあだ名は『ボーロ』に決まった。
ケイスケ君曰く「たまごボーロっぽいから」だそうだ。
正直いまだに意味は分からない。
ここでケイスケ君グループのスペックを書きたいと思う。
ちなみに全て仮名です。
ケイスケ君・・・G組。超イケメン。グループの頭。学年でも誰も逆らえない(逆らおうとしない)。分け隔てなく優しくて人望厚い。イケ女にも喪女にも男にもモテる。でも茶髪・ピアス・腰パンのDQN。
澤田・・・G組。昔風ヤンキー。筋肉質で喧嘩強い。ケイスケ君とは幼馴染。
洋太・・・G組。昔風ヤンキー。お調子者のスケベ。勝手に街で喧嘩したり、女の子にだらしなく、よくケイスケ君に注意されてる。モテない。
シュウ・・・G組。今風DQN。以前はケイスケ君を異常なまでにライバル視していたらしい。ケイスケ君にタイマンで負けてからグループに入ったとか。実は普通にいい奴。
ヒロノブ・・・F組。普段は野球に打ち込むスポーツマン。だが気の強い坊主頭。
黒木・・・F組。クール。とにかくクール。余計な喧嘩はしない。背が高くメガネをかけていて頭良い。グループの頭脳といった感じだろうか。
計6人のグループなんだけど、後に俺(ボーロ)が入って7人になる。 きっかけは俺がE組の三人組に苛められ始めたこと。
そのE組の三人組はコソ泥みたいな姑息なワルで、弱い奴に目をつけてカツアゲなどを行っているような連中。
俺はかっこうの餌食になった。
最初は廊下や帰り道で小突かれたりする程度だったんだけど、ある日呼び出されて金を要求された。
でも俺は渡さなかった。ていうか実際殆ど持ってなかった。
「明日持って来い」と言われ、その日は何故か図書券だけ無理やり奪われた。
次の日、案の定呼び出されたが俺は金を用意しなかった。
三人組は激怒して俺を殴った。
「明日は必ず持って来い」と言って帰っていった。
次の日、休み時間にケイスケ君に「顔どうした?」と聞かれた。
頬骨の辺りが腫れてたからね。
「なんでもないよ」とだけ言ったんだけど、ケイスケ君は俺の顔を真面目な表情でずっと見ていた。
澤田と洋太が「おいおい〜喧嘩なら俺らも呼べよー!」と茶化してくる。
放課後、例の三人組に呼び出されて、いつものコンビニの裏に連れて行かれた。
そこには、パイプ椅子に座って煙草を吸うケイスケ君と
その脇に、いつもはクールな黒木が怖い顔をして立っていた。 三人組は完全に動揺してて「ケイスケ・・・くん。あはは、一服中だった?ごめん。・・・行くぞ」みたいなことを言った。
ケイスケ君「どこに行くの?ていうか俺らのダチに何してんの?」
三人組「ダチ?えっ?えっ?」
黒木「俺らの仲間から金取ろうなんて良い根性だな」
ケイスケ君「俺から金取ってみろよ。俺んち金持ちだからさ。」
三人組「そんなー。そんなこと出来ないし(汗)てか、こいつ仲間だったの?マジごめん!ほんと」
ケイスケ君「・・・どうする黒木?俺からは金取れないってよ」
黒木「なら俺から取れよ。俺を殴ってみろ。」
三人組「いやいや・・・黒木君とはね、前にもほら・・・いろいろあったしさ、ははは(汗)」
黒木は三人組をあっという間にボコボコにした。
三人は無抵抗で悲惨だった。
そのあと黒木は黙って近くにある水道で血を洗い流したり、メガネを拭いていた。
その間、ケイスケ君が俺に教えてくれた。
ケイスケ君が俺の顔の腫れを怪しむ→黒木に話す→黒木は前に俺が三人組に小突かれているのを目撃していた
→黒木が独自に調べる→三人組は最近コンビニの裏でカモをいたぶっているらしいと分かって二人で本日先回り
らしい。
それと、黒木の弟が過去に三人組の被害に遭っていたことも教えてくれた。
俺は何て言っていいのか分からなかった。
今までこんな風に他人に思われたこともなかったし、黒木にも何て声を掛けていいのか。
困惑していた。
ただ「ありがとう」と言って走って帰ってしまった。
「仲間って何だ」「ダチってどういうことだ」「何で俺なんかに良くしてくれるんだ」そんなことばかり考えていた。
一晩考えた末に何か裏があると決めつけた。 次の日、ケイスケ君がいつもと変わらず「おはよう!」と声を掛けてくれた。
F組のヒロノブが昨日の件を聞いたらしく、G組に来て澤田と洋太とシュウに言いふらす。
澤田「よくやった!ケイスケ!あいつら最近また調子に乗ってたからな」
ケイスケ君「やったのは黒木だよ」
洋太「何で俺を呼ばないんだよー!黒木より俺のほうが適任だろ〜」
シュウ「黒木が暴れるって珍しいもんな。黒木は?」
ヒロノブ「まだ来てねーよ」
ケイスケ君「お前ら、うるせーんだよ。もう終わったんだよ。な?ボーロ(俺)」
俺「う、うん。」
澤田・洋太「ボーロ。次に何かあったらケイスケの前に俺らに言えよ!」
俺「うん、ありがとう・・・」
裏はないのか?
こいつらに裏はないのか?
信用していいのか?人は見かけによらないってこういうことなのか?
それから皆とは学校内だけじゃなく放課後や休日も一緒につるむことが多くなった。
楽しかった。
公園で、どうでもいい話でバカ騒ぎしたり、カラオケ行ったりゲーセンで遊んだり、ご飯食べに行ったり
他校の生徒と喧嘩したり(俺は後ろに下げられて殆ど何もしなかったけど)
何もかもが初めてで、なんだか生きているのを実感した。
自然に笑えるようにもなった。
明るくなって、家で友達の話をする俺を見て両親は嬉しそうだった。
最初はアイツらが家に迎えに来たり送ってくれたりすると、見た目のせいで母親は心配してたけど。
姉貴とその友達連中は酷いもんで「ケイスケ君紹介して!」「有名だもんねケイスケ君」「だめならシュウ君呼んでよ」「わたしは黒木君!」と、盛りのついたメス全開で言い放題。
「洋太とヒロノブならフリーだし喜んで来るよ?」というと「・・・あの子たちはいいや」とのことだった。 ある日、皆で買い物に行ったとき、ケイスケ君が俺にチョーカーを見せて
「これ、ボーロに似合いそうだな!俺にも似合うかな?お揃いにしようぜ。これ二つ下さい」って買って一つを俺に付けてくれた。
だが値段を見てビックリ!
俺「こんなに高いの貰えないよ!!」
ケイスケ君「大丈夫だよ、俺んち金持ちだし(笑)てかもう買っちゃったし。」
俺「・・・いいのかな。俺も何か返さなきゃ!」
ケイスケ君「ははは!いいんだよ別に。気に入ったから買っただけ。買い物なんてそんなもんだろ」
俺「・・・・・」
ケイスケ君「そろそろ帰るか〜腹減った」
帰り道、いつものようにケイスケ君は皆の先頭を歩く。
後方で歩く俺にシュウが耳打ちしてきた。
シュウ「ケイスケん家さ、確かに金持ちだけど、アイツ小遣い貰ってないんだぜ。
けど中学生ってどこもバイト雇ってくれないじゃん?親の会社の子会社だか何かの倉庫でバイトしてんだよ。
それに、お前そろそろ誕生日なんだろ?ボーロに何かプレゼントするんだってアイツ言ってたけど、それのことだったんだな。ちゃんと礼言った?」
俺「えっ?・・・・」 気が付いたらチョーカー握りしめてボロ泣きしていた。
嬉しくて嬉しくて。
思えばケイスケ君は夜ケータイに出ないことが多かった。メールの返信も夜遅くだった。
俺からの連絡が面倒とかなんかじゃなくて、ただバイトしてたんだ。
いつも優しくしてくれてるのに俺は、こいつら何か裏があるんじゃないかって疑ったりしたこともあった。
何もなかったんだよ裏なんて。
澤田「おい!ボーロ泣いてるぜ!どうした??」
洋太「シュウ、お前いじめたんじゃねーだろうな」
シュウ「あほか」
ヒロノブ「こういう時はバッティングセンターだな」
黒木「・・・一人で行けよ。どうしたボーロ?」
ケイスケ君「おいおい、何だ?」
俺「あのさ、あのさ、ケイスケ君ありがとう!!俺・・・皆と居れて嬉しいよ。本当にありがとう皆。」
一瞬、皆ポカーンとしてたけど、そのあと皆照れくさそうに笑ってた。
ケイスケ君「まぁ何だ、その・・・東京からこんな街に転校してきたんだ。がっかりしてほしくないっていうか
ただでさえDQN中学って言われてて、特に俺らは先生や高校生からの風当たりも強いし、そのせいでクラスの皆に迷惑かけたり気を悪くしてほしくない。
特にF組とG組は小学校からの付き合いの奴も多いし、みんな仲間だと思ってる。
俺はみんなが好きだし、みんながいる場所が好きなんだ。必死で守るよ。
このメンバーと来年も再来年も…10年後も一緒に笑っていたい。もちろんボーロもそこにいてほしいんだ。」
洋太「うひょー!たまんねーな、おい!こんな男だから皆ケイスケが好きになっちゃうんだよな〜!」
ヒロノブ「先生や他校からの風当たりが厳しいのは、ほとんど洋太と澤田とシュウのせいだけどね(笑)」
澤田「この野郎〜!・・・ごめん」
黒木「はははっ!」
シュウ「うおっ!黒木が笑った!」
黒木「俺だって笑うよ・・・。それに俺もみんなとずっと一緒にいたいし・・・」
俺「一緒にいようよ!そういえば、そろそろ本格的な進路面談だね」
日が落ちかけた駅前のロータリーで、みんなが近い将来を想像した。
本当に願い通りになるかどうか分からない漠然とした10年という遠い未来も。 平和で楽しい時は長くは続かなかったんだ。
俺の中学には同学年のA組〜C組の十数人のDQNグループが存在した。
俺らのグループの倍の人数だけど
今まではケイスケ君や澤田がいるから奴らも距離を置いていたし、黒木が画策したりして歯向かってはこなかった。
だが中学生活も終盤に入り、奴らは暴走族との繋がりを持った。
殆どは高校に行く気もないらしく愚連隊化していった。
その火の粉はD組→E組と飛んできて、ヒロノブと黒木のいるF組まで降りかかろうとしていた。
D組とE組のDQNに成すすべはなく、やられっぱなし、泣き寝入り状態だった。
けど俺たちのグループは違う。
特に澤田と洋太はイケイケだ。
ある昼休み「今すぐ潰す!やっちまおうぜケイスケ!」と興奮していた。
シュウとヒロノブは黙ってケイスケ君の判断を待っていた。 ケイスケ君「そうだな。あいつら普通の生徒や女子にも手を出し始めてる。やるぞ。問題あるか黒木?」
黒木「人数が足りない。ボーロは今回は外れてもらう。あいつらはどうにでもなるけど族相手に6人でどうするかだな。」
シュウ「F組とG組で使えそうな奴を集めるしかない。族となったらビビッて集まらないかもしんねーけど。」
ケイスケ君「族って言っても今はそこまでのチームじゃないよ。俺が上の人んとこ行って圧力は最小限に留めるように話はつける。」
俺「何で俺は外されるの?喧嘩できないから?力になるよ!」
ケイスケ君「お前はこういうの向いてないよ。ここにいろ。」
そう言ってケイスケ君たち6人はA組に向かっていった。
俺も後を付いて行った。
澤田が入口のドアを蹴り倒して、ケイスケ君たちが入っていく。
俺も勝手に入っていった。
ケイスケ君「古瀬(仮名:相手側ボス)今すぐ全員集めろ!」
澤田「お前ら全員今日やっちまうからよ!」
黒木「・・・悪いけど関係ある奴以外、外に出ててくれ」
A〜C組のDQNが集まってきた。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています