KDDIの場合、ドコモやソフトバンクとは置かれた環境が全く違って、au利用者の流出を座視できない。
ドコモは言うまでもなく、NTTグループの一員だ。NTT全体の売上高は11兆7500億円に対しドコモは4兆5800億円と比率は半分以下だ。ソフトバンクにいたっては、売上高8兆9千億円のうち、国内通信事業は3兆円あまり。
しかもここには長距離通信なども含まれるため、国内携帯事業の占める割合はさらに小さい。ソフトバンクにとっては、国内携帯事業よりも買収した英ARM社や米スプリント社の優先順位の方がはるかに大きくなっている。
KDDIは違う。KDDIの売上高4兆9500億円のうち、携帯電話事業、すなわちauの占める割合は約75%。au=KDDIと言ってよく、auの契約者数が会社の命運を握っている。それだけに、格安スマホの台頭を放置しておくわけにはいかない。