ニホンオオカミの生態がはっきりとしないので、本州・四国・九州にかなり古くから生息
しているイヌ科動物ホンドギツネについて調べて見た。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/seitai/30/1/30_KJ00001775852/_pdf 】の中の
P17 摘要に次のようにある。
『1.1972年から1978年にかけて熊本県上益城郡矢部町の原野に生息するホンドギツネの
テレメーター調査を行った。成獣3個体(雄2個体、雌1個体)、若獣(雄)1個体について
得られたデータをもとにアクティビティーに関していくつかの分析を試みた。

2.調査した個体は育児中の雌を除いて共通したアクティピティーパターンを示した。
いずれも主に夜間に活動し、活動は日没時に急激に上昇、途中に数度の休止があり、
最終的に日出後2時間までに終了する。育児中の雌は昼夜ほぼかわりなく活動する。

3.活動の高い時間帯は冬に最も長く、夏に最も短い。また、夜間活動の度合は
夏に最も大きい。しかし、アクティビティーパターンは四季を通じて大きく変化しない。

4.アクティビティーパターンへ影響する要因について考察した。
人間の野外活動はキツネの活動を抑制し、夜行性的傾向を大きくかえない原因となっている。
夏期の高温、強日射は夜行性の度合を高める。冬の雪の少なさは他の季節とのアクティビティ
パターンの違いを小さくしている。他の地域と違って、餌の変化はアクティビティー
パターンへ影響していないようである。

5.育児中の雌は授乳、給餌、仔の保護などの育児活動のために、夜間昼間ともかわりなく
活動している。』

この中の4.に、
『人間の野外活動はキツネの活動を抑制し、夜行性的傾向を大きくかえない原因となっている。
夏期の高温、強日射は夜行性の度合を高める。冬の雪の少なさは他の季節とのアクティビティ
パターンの違いを小さくしている。』とあります。
ニホンオオカミの活動時間帯も同様のように思えてならない。