<< ミトコンドリアDNA に基づいたユーラシアカワウソおよびニホンカワウソの保全遺伝学的研究 >> 2016年
【 file:///D:/UserDATA/Downloads/2015-729%20(1).pdf 】
P93 の 『第4章 結論』の中に、
『ニホンカワウソの系統類縁関係の評価では mtgenome配列に基づき系統解析と分岐年代推定を行った.
解析した JO1(神奈川県産)と JO2(高知県産)のニホンカワウソはそれぞれ異なる進化史を示した.
JO1 系統はユーラシアカワウソが形成する単系統群に内包され,分岐年代も約10万年前と非常に若い
ことが判明した.その一方で,JO2 系統はユーラシアカワウソがアジアと欧州に拡がった時期よりも
早い約127万年前に日本へ移住した日本固有の系統であることが判明した.JO2 が示した分岐年代は
他の陸生動物で推定された分岐年代や日本列島への移住時期に一致するとともに,地質学的な証拠とも
矛盾しない結果であった.以上の結果から,JO2 系統は日本固有種もしくは日本固有亜種として扱こと
が妥当であろう.』とあり四国産のニホンカワウソは127万年前という非常に古い時期に渡来した極めて
貴重な種なんですね。