< 動物由来感染症を知っていますか? > --- 厚生労働省
@ 世界では、たくさんの新しい感染症が見つかっています
世界では従来知られていなかったたくさんの新しい感染症が今も次々と見つかっています。そして
その多くが動物由来感染症であることもわかってきました。それらの中には感染力が強く重症化する
傾向のあるもの、特異的な治療法がないもの、ワクチンが実用化されていないものもあります
(重症急性呼吸器症候群(SARS)、エボラ出血熱、マールブルグ病、ハンタウイルス肺症候群等)。

動物由来感染症は、世界保健機関(WHO)で把握されているだけでも200種類以上あります。また、
近年問題になっている生物テロ兵器として、炭疽菌、ペスト菌、野兎病菌、ウイルス性出血熱のウイルス等の
病原体があげられていますが、これらはいずれも動物由来感染症の病原体です。

世界中で数多くある動物由来感染症のすべてが日本に存在するわけではありません。
日本には
寄生虫による疾病を入れても数十種類程度と思われます。このように、日本では動物由来感染症は
比較的少ないのですが、世界では多くの動物由来感染症が発生しています。従って、海外でむやみに
野生動物や飼い主不詳の動物に触れることは止めましょう。

A 日本に動物由来感染症が比較的少ない理由
日本は全体として温帯に位置しているため、特に熱帯・亜熱帯地域に多い動物由来感染症が
ほとんどありません。また、島国であるため周囲の国々からの感染源となる動物の侵入が限られています。
これらの地理的要因のため野生動物由来の感染症やマダニ・蚊等の節足動物(ベクター)が媒介する
動物由来感染症が比較的少ないと思われます。