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 気候変動に伴う温暖化と海面上昇によって、サンゴ礁のダメージが深刻化している。特に今年はエルニーニョ現象が重なり、海水温がさらに上昇している。
これに魚の乱獲が加われば、サンゴ礁にとって最後の一撃となりかねない。

 しかし、持続的な管理が行われているサンゴ礁は、気候変動の長期的な影響に適応できる可能性が高い、とキッティンジャー氏は考えている。

「ダークスポット」は35カ所

 研究チームは気候変動の影響をより細かく理解するため、46カ国のサンゴ礁を6000回以上にわたって調査。漁獲量が最も高い海域では魚などの生物が最も少なく、その結果、サンゴ礁が最も減少していることがわかった。
サンゴ礁が荒廃している35カ所の「ダークスポット」は世界中に点在しているが、カリブ海、アフリカ沖、人口の多い都市から近いインド太平洋で多く見られた。

 一方、持続的に利用されているサンゴ礁は最も良い状態を保っており、ソロモン諸島、インドネシアの一部、パプアニューギニア、キリバスなどで15の「ブライトスポット」が確認された。(参考記事:2013年11月号「南太平洋 サンゴの楽園」)