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そして、試合は後半20分過ぎへと突入。「ショックだった」失点を乗り越えんと、彼らの必殺パターンである
左MF菅沼守をFWへと上げる交代策を講じ、絶対的自信を携えて再び勝ち越しへ攻勢を強める
浦和東であったが、そこに落とし穴が待っていた。
後半22分、自陣右サイド深くから鹿島学園・小原が出した長いスルーパス。これに快速を飛ばして
抜け出したのはここまで前を向かせてもらえなかった佐々木竜太。そのまま30m以上をドリブルし、
またぎフェイントを3回入れて振りぬかれた右足に当たったボールは、逆転ゴールとなって鮮やかにゴールへと転がったのである。
こうして勝利への方程式を打ち砕かれた浦和東。最後は3トップにして反撃を試みたが、もう彼らに同点に追い付く力は残されていなかった。
「1回我慢して、取り戻して、逆転したことに精神的強さを感じた」と選手たちの成長に感慨深げな表情を浮かべた
鹿島学園・鈴木監督。前日に続く大物食いを果たし、ベスト8を果たした彼らの姿は1年前とは違った、実に頼もしきものであった。