鈴代紗弓 2022/11/25

私は突出した何かが無くて、良くも悪くも普通だったんですよね。
声がすごく特徴的なわけでもなければ、芝居も成立はしているけど面白味がない、というか。
全部が70~80点みたいな感じだったのが、自分の中で引っかかっていました。
私の通っていた養成所は「基礎科」「本科」「研修科」とレベルが上がっていくんですけど、
一年に一回オーディションがあって、基礎科の人でも事務所に所属するチャンスがあるんですよ。
でも、私は養成所の中で上がっていくことはできても、なかなか事務所への所属に至らなかった。
養成所の研修科一年目の時にあったオーディションで合格しアーツビジョンに所属することになったのですが、
所属後、系列の事務所に所属した人たちと一緒に集まる機会があったんですよ。
そこで別の事務所の同期の子たちと話してみると、やっぱりみんな光るものを持っているんです。
中でも一番「太陽!」って感じがしたのが、岡咲美保ちゃんでした。初めて美保に会ったときは圧倒されてしまって、
こういう人たちがたくさんいるなかで自分もやっていくんだなって、背筋が伸びた記憶があります。
最初は「あ、あの子はもうメインでやっているんだ」と考えてしまった時期もありましたね。
「Wikipediaがもう出来てる」とか(笑)。
ただ、そういうのも大切な気持ちだとは思うんですけど、最近では結局戦わなきゃいけないのは自分自身だなと思っていますね。
ここ数年は、よりナチュラルな芝居ができるようになりたいなと思っています。
今までは「足していく」作業ばかりやっていたんですけど、逆に「引いていく」作業も覚えたいな、と。
作品によっても求められる芝居は違うんですけど、デォルメしすぎない「生っぽさ」みたいなものを出せるようになりたくて、
最近はナチュラルな感じを意識することが多いですね。

https://seigura.com/news/100219/