演技論に話を戻すが
声優がやっているのは声の代役だけど
俳優は自分自身の映像にアフレコする事があるんだよね

その際、アフレコで目指さないといけないのは
同時録音と見分けが付かないだけのクオリティを確保する事だろう
視覚的なものと聴覚的なものにギャップが生じて、別々に収録したと悟らせてはいけない
登場人物の肉体からその瞬間に発せられた声として認識される必要がある

自分自身が対象であれば、実際に演技して見せた訳だから
その再現をアフレコブースでもやれば良いって事になるけど
声優の場合は、その段階をすっ飛ばす形になる訳だから
本来は、アフレコ対象よりもずっと演技力が無いと釣り合わないと思うんだよな

俳優の端くれを自認している人間は、オリジナルの役者の演技に畏敬の念でも持ってそうだけど
生粋の声優は、俳優としての凄さの何たるかすら理解出来て無さそう 昔の山ちゃんは確実にそれ

第2回 野沢那智【ふきカエルインタビュー】ふきカエル大作戦!!
https://www.fukikaeru.com/archives/interview_02_p3.html

───アテレコをする上での心構えなど、ありますでしょうか。

若手によく言うんだけど、ハリウッド映画の俳優・女優は、
アメリカ全土、何十万人から選びぬかれた百戦錬磨の人で、大変な苦労をしてきたんだ。
そういう役者たちと同じだけの芝居ができるようにならなくちゃいけないって。
彼らの芝居を越えるくらいの勢いで、元の演技の5倍くらいのものが伝わってこなきゃダメなんだ。
だから、役者として必死に修行しないと、アテレコなんてやっちゃいけないんだと思うんだよね。