衣料品通販サイト「ゾゾタウン」を運営するスタートトゥデイの成長が続いている。28日発表した2017年3月期連結決算によると、年間取扱額が2000億円を超え、大手アパレルに並ぶ規模になった。
ネットで洋服を買う若者がまず選ぶサイトの地位を固めたためだが、高成長を保つ次の一手は見えてこない。
 楽天も16年に専用サイト「楽天ファッションスクエア」を開設した。大手が本気を出せば、強力なライバルとなる。
ゾゾタウンに出店する大手アパレルが自社のネット通販を広げていることだ。例えば、オンワードHDは「成長戦略のコアだ」(保元道宣社長)と会員制度の拡充を進める。現在出店する3900超のブランドの自社サイトが独り立ちすれば計算は狂う。
 次の一手を打とうとはしている。前沢友作社長は28日の説明会で、計画してきたスタートトゥデイ独自の衣料品ブランドについて「17年度中に実現する」と明言した。ただ、これは従来担いできた人気アパレルと利害がぶつかるもろ刃の剣だ。
 15年12月に始めた古着仲介「ゾゾフリマ」も最大手「メルカリ」の牙城を崩せず、6月末にサービスを終える。業績の伸びと比例するように、克服すべき課題は鮮明になっている。