>>434

記事ちゃんと読んだか?隷属農民の自立化が進んだ1771年の農村でも未婚率は30%って書いてあるだろ。1675年段階だと46%が未婚。

歴史人口学者の鬼頭宏先生と対談させていただいたのですが、17世紀くらいまでは日本の農村地域でさえ未婚が多かったそうです。 結婚して子孫を残すというのはどちらかいえば身分や階層の高い者に限られていて、本家ではない傍系の親族や使用人などの隷属農民たちは生涯未婚で過ごした人が多かったのだとか。たとえば、1675年の信濃国湯舟沢村の記録によれば、男の未婚率は全体で46%であるのに対して、傍系親族は62%、隷属農民は67%が未婚でした。 それが、18世紀頃から傍系親族の分家や小農民自立の現象が活発化したことで、世帯構造そのものが分裂縮小化していきます。それが未婚化解消につながったひとつの要因と言われています。つまり、今まで労働力としてのみ機能していた隷属農民たちが独立し、自分の農地を家族経営によって賄わなければならなくなると、妻や子は貴重な労働力として必須となるからです。結婚とは、農業という経済生活を営むうえで欠くべからざる運営体の形成だったのです。 こうして農村地域の未婚率は改善されていくわけですが、それにしてもまだ1771年時点の男の未婚率は30%(前述信濃国湯舟沢村)もありました。