団地と貧困

区の職員の方曰く、足立区は1960年代に団地の誘致を積極的に行った。
その結果、低所得の方々が足立区に集まって来て、
その結果今のようになったという。
真相は未確認だが、納得感のある話しである。

某政令指定都市の某区中学校のあるエリアを地図で見ながら担当者と話していると、
「集中的に支援を行いたいのがこことここ」と指をさした。
理由を聞くと2校とも学区内に大きな団地があり、
その団地の貧困問題が生徒たちの問題行動や学力不信に直結しているという。

某県の某中学校の校長室での意見交換の場でも、
「◯◯中学は◯◯団地があるからどうしても荒れる」という発言があった。
まさに経済格差が教育格差になっている現実だ。

経済資本のない人々が安い団地に集まってくる。
そこでは文化資本を享受できない子どもたちが、
知的好奇心を満たすことができずに育っていき、
狭い社会関係資本の中に閉じていきながら問題行動を起こし、
学力不信で行き場を限定され、やがて孤立していく…。

大人になり狭くなった団地を飛び出した子どもたち(まさに自分)は、
学歴もなく、手に職もなく、頼れる仲間やコミュニティも持たないまま、
結局団地に戻ってくるという連鎖がある