伊藤和子弁護士のブログより。

http://worldhumanrights.cocolog-nifty.com/blog/2016/05/post-ab7a.html

みなさまへ


昨年10月下旬に、国連児童ポルノ等に関する特別報告者が来日し、この方が開いた記者会見で、日本の女子高生のなかでの援助交際の比率について言及し、
その後撤回するということがありました。
この一連の動きに関連して、国連特別報告者に虚偽の報告をしたのは私であるとの、事実に基づかない情報を流す人間が現れ、多数の人に流布される事態となりました。
その経緯は、以下に詳細に説明しています。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/itokazuko/20151101-00051024/

こうした行為は明らかに名誉棄損であり、私が国連に対し虚偽の事実を報告している、という誤解が生まれることは大変な心痛です。
これに伴い現実にも不利益をこうむっています。
そこで、こうした情報を流した、言論プラットフォーム代表者・池田信夫氏を被告として、東京地裁に名誉棄損訴訟を提起しました。
弁護士としてたくさん提訴してきましたが、自分が原告になるのは初めての経験です。
私自身、諸事多忙のため、訴訟に関する一切は代理人(佃克彦弁護士)にお任せすることにしました。
第一回期日は5月23日です。
佃先生は名誉棄損分野の第一人者で、書籍も出されており、大変信頼してお任せしています。
参考・https://gunosy.com/articles/RPLOg
http://www.amazon.co.jp/%E6%9C%AC-%E4%BD%83-%E5%85%8B%E5%BD%A6/s?ie=UTF8&;page=1&rh=n%3A465392%2Cp_27%3A%E4%BD%83%20%E5%85%8B%E5%BD%A6


最近、社会的発言をする人、人権や自由に関する現在の日本の空気に危機感を抱き、政府のありように物申す人、権利を行使しようとする人に対し、
インターネット上で事実に反する悪質な誹謗中傷や侮辱がなされるケースが増え、物が言いにくい萎縮した環境ができつつあります。
特に女性がそうした誹謗中傷や侮辱のターゲットになりやすい状況があります。
もちろん、インターネットその他での自由な言論は大切ですが、事実に反する個人への誹謗中傷はかえって言論を萎縮させるもので、言論空間にとってもマイナスです。
私としては、この問題を法的に解決していくことが、同様の問題に悩む方々を励まし、社会にも一石を投じることになるのではないかと考えました。
特に若い世代の人たちのためにも、現在の言論環境を少しでも改善するために行動したい、という思いもあります。
裁判ではぜひ勝ちたいと思いますし、裁判中、裁判後も行われるであろう様々な誹謗中傷にも対処していきたいと思っていますので、これからもぜひご指導・ご支援をお願いいたします。     

弁護士・伊藤和子

(追伸)
池田氏はなんと、この訴訟がスラップ訴訟であり、取り下げないと弁護士会に懲戒申し立てをするなどとして、私を脅し、私を「駆除しましょう」などとTwitterで呼びかけています。
しかし、この訴訟はスラップ訴訟に該当しないことは明らかです。
不当な名誉棄損を受けた個人が裁判手続きを通してこれを是正することは、個人の基本的人権であり、憲法でも「裁判を受ける権利」として保障されています。
訴訟による法的解決自体を糾弾する姿勢にははなはだ疑問です。私としては、こうした誹謗中傷に屈するつもりはありません。
この間、多くの方からご心配、励まし、応援の言葉をいただいてまいりました。
皆様のお心遣いをとても心強く思っています。この場を借りて心より感謝申し上げます。
今後ともぜひよろしくお願いいたします。