統合失調症
陽性症状は、正常な精神機能に歪みが生じたものです。
具体的には以下のものがあります。

妄想は、通常は知覚や体験の間違った解釈を伴う誤った思い込みです。
また、明らかに矛盾する証拠があっても、患者はその思い込みを捨てようとしません。
妄想には多くの種類があります。
例えば、統合失調症では、困らされている、後をつけられている、だまされている、見張られているなどの被害妄想が起こることがあります。
関係妄想といって、本、新聞、歌詞などの1節が明確に自分に向けられていると思い込むこともあります。
他者に自分の心が読まれている、自分の思考が人に伝わっている、外部の力によって思考や衝動が自分の中に吹き込まれているなどと思い込む思考奪取や思考吹入という妄想もあります。
統合失調症で生じる妄想は奇妙なものもあれば、そうでないものもあります。奇妙な妄想は明らかに信じがたい内容で、普通の人生経験から生じるものではありません。
例えば、誰かに傷あとを残さずに内臓を抜き取られたと信じているなどです。奇妙でない妄想は、後をつけられている、配偶者やパートナーに裏切られるなど、現実にも起こりうる内容のものです。
幻覚は他の誰も経験しないものを聞いたり、見たり、味わったり、身体的に感じたりすることです。圧倒的に多いのは音の幻覚(幻聴)です。
自分の行動に関して意見を述べたり、互いに会話したり、批判的、侮辱的なことを言う声が頭の中で聞こえたりすることがあります。