経済とは数字遊びに過ぎないことを示す小話】

誰も働かずに、互いの借金が消えたお話・・

ある日、寂れた町へ、一人の旅人がやってきた。
そして町に一つしかないホテルに入ると、受付のカウンターに100ユーロ紙幣を置き
部屋を選ぶために2階へ上がって行った。

@ホテルの主人は、その100ユーロ紙幣をひっつかむと、急いでツケのある肉屋へ走った。
A肉屋はその紙幣を持って、肉の仕入れのツケを払うために養豚業者に走った。
B養豚業者はその紙幣を持って、餌代のツケを払うために餌の販売業者に走った。
C餌の販売業者はその紙幣を持って、ツケでお相手をしてくれてた遊女へと走った。
D遊女はその紙幣を持って、いつも客を連れこんでたホテルの部屋代のツケを払いに走った。
ホテルの主人は、遊女から受け取ったばかしの100ユーロ紙幣をカウンターの元の位置に置いた。

ちょうどそのとき、部屋をチェックして2階から降りてきた旅人が、
どの部屋も気に入らないからと100ユーロ紙幣をポケットにしまいこみ、町を出て行った。

こうして合計5人の借金が消えた。