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2021.10.03 西條和 ブログ

ふと足元を見下ろすと、あるひとつの箱が存在していました。
片手で持つには少し大きいぐらいの決して頑丈ではない脆い箱。

それでも、重さだけはしっかりとある
ぎりぎり1人で持てるぐらいの。
この箱は2016年の12月から、私の足元に現れました。

外側には、リボンがかけられています細く長いリボンが。
外から見る分にはまだまだ新しくて綺麗なよくある普通の箱。

ただ、その中身はというと、
ひっくり返っているものや倒れているもの
圧迫されて変形してるものもあったりします
早く中身を確認してどれが倒れていて、どれが無事なのか、把握しなければいけない

どこをどう動かしたら元に戻るのか。
一刻も早くリボンを解いて整理をしなければ。
はやく。後回しにすればするほど余計整理はしづらくなる。
今すぐに。それでも、手は一向に伸びないリボンを解くのを躊躇う。

リボンを解いてしまえば、中身を見てしまえば、散らかってることを認めないといけなくなる知りたくない。
見たくない。いっそこのリボンをかけたまま。一見したら綺麗な、そのままで置いておきたい
許されるならこのままずっと、いつまでも。綺麗だと思い込んだまま。

だけど、本当はもうわかっている遠目では綺麗に見えても、揺らせばガタガタと鈍い音がなること
よく見ると今にも突き破って出てきそうなものがあること
きっと、周りにも散らかっていることはもうばれている
これ以上は隠しきれない それでも、開ける勇気がもてない

綺麗に並んでたものたちが倒れ、こぼれている光景を目の当たりにしたくない
一瞬でもリボンを外してしまえば、それを合図にするかのように今までなんとか収まっていたものが次々に溢れかえってくるような気がする
そしたらもう、もとにしまい直す気力なんてきっと残っていない

中身がいらなければ、
整理なんてせず箱ごと捨てればいいのかもしれないけれど
手放すこともまだできない。
だけど、本当は私がこの箱を持ってることが間違いなのかもしれません

私じゃなくてもっとしっかりした人が持っていたら、中身は綺麗なままだったかもしれない。
私には持っている資格はないのかもしれない それでも、大事な大事な箱なんです。
それだけは確かです。
だからあと少し、この箱を閉じておくのを許してください

中には自分のことやメンバーのこと。
みなさんに言いたいこと、みなさんに言わなきゃいけないことが詰まっています
その中から、綺麗なところだけを抜粋してみなさんにお伝えをするのが私のやるべきことなんだろうと思います
ですがどうしても、開けてしまうと全てが流れ落ちそうでこわいのです
いまは感情と思い出に蓋をして、なんとか今日明日のお仕事に向かうことが精一杯です

いつかはちゃんと開けます。
それまでもう少し、待っていてもらえるとうれしいです。おしまい。