サッカーの全国高校選手権などで全国優勝の経験がある強豪の流通経大柏高校(千葉県柏市)サッカー部の本田裕一郎監督(72)が、けがをした2年生部員が持っていた
松葉づえを奪って放り投げる不適切な行為をしたとして、5月に学校法人から譴責(けんせき)の懲戒処分、学校から謹慎処分を受けていたことが20日、
学校への取材でわかった。学校側は「体罰と受け取られても仕方がない」としている。

 学校によると、5月6日の練習で右足首を負傷した部員に本田監督は整形外科病院に行くよう指示。部員は翌日、同部のかかりつけの整形外科が休みだったため整骨院に行き、
同8日、練習グラウンドに松葉づえ姿で現れた。本田監督は整形外科でレントゲン撮影などの診察を受けなかったことに怒り、2本の松葉づえを投げたという。
この行為で部員にけがはなかった。

 同13日に外部から指摘があり、同14日に学校は本田監督に確認。本人から謹慎の申し出もあり、同日から3日間の謹慎とし、この日に本田監督は部員約130人に
謝罪したという。譴責処分は同16日付。赤城政広教頭は「行き過ぎた行為。許されることではない」と話した。部員はその後、練習に復帰したという。

 本田監督は朝日新聞の取材に「けがには人一倍うるさい。投げた行為は本当に反省している」と語った。同校によると、今年度限りでの監督退任がすでに決まっているという。

 同部は全国高校選手権で2007年度に初優勝し、17、18年度は2大会連続で準優勝。全国高校総体も2度制している。(上嶋紀雄)

朝日新聞社

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