夏休みのNHK生放送のラジオ体操に参加しているぼくであるが、やっているうちに音楽とピアノ伴奏のあまりの生ぬるさに憤りを覚え、
いつのまにか朝礼台に勃ち、体操ではなくピアノに向かって指揮をしている自分に気がつく。
テンポはところによって倍は速く、逆に倍は遅く、さらにアッチェレランドやルバートをかけ、音符一つ一つに深い意味を込めて歌わせる。
まさに魂のラジオ体操といえよう。体操に参加している人からも好評である。
これはテンポの変化がフルトヴェングラー以上に激しいので、ついていくのに疲れるが、
こうしてこそ本当の音楽と体操になるということが初めて理解できたと、 終了後、みんな次々とぼくのところに言いにくるのである。
近い将来、ピアノ版をオーケストレーションし、 ぼくの手兵SAKURAの伴奏で体操する案をNHKに打診してみるつもりだ。

ラジオ体操の前に歌う「新しい朝が来た・・・」も、聴いているだけで歌わない人が多い。
これには、声楽科出身のぼくとしては憤りを禁じ得ないといえよう。
毎朝歌っているのは、台の上に勃っているぼくだけなのだ。
もしかしたら、ぼくのあまりの美声と魂を込めた歌に酔いしれてしまって、誰も歌えないのかもしれない。
今後は、指揮をしながらラジオ体操参加者に歌の特訓もするつもりだ。
オーケストレーションが完成するまで、ピアノはぼくの親友であるエリック・ハイドシェックを起用することにしよう。
フランスのエスプリが効いた、しゃれた演奏をしてくれるものと期待されよう。
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