■ティップネス買収 コナミに「ピープル」減損の過去
日本テレビホールディングスは11月21日、ティップネスを買収すると発表した。買収総額は350億円前後とみられる。
市場関係者の脳裏をよぎるのは、2001年にコナミがマイカル(現イオンリテール)からピープル
(現コナミスポーツ&ライフ、当時の店名はエグザス)を買収した事例だ。 買収総額は758億円とコナミの総資産の半分強に達した。
市場は「大きすぎる買収」を不安視し、買収発表翌日の株価は12%も下落した。

      ☆★☆★☆競争激化で減損処理465億円 ☆★☆★☆★☆

■ 買収発表からわずか1カ月後、市場の不安は的中する。コナミが最大1500万株の公募増資を発表したのだ。
ピープル買収のための借入金を返済するためだった。公募増資は財務が改善する一方で、
自己資本利益率(ROE)は大幅に低下し、株式の需給は悪化する。
発表翌日の株価は13%下落と買収発表以来2度目の2ケタ下落に見舞われ、年初来安値を更新した。

■買収が明るみに出る前と比べれば、株価は4割近く下落したことになる。
社運をかけたフィットネス事業が高すぎる買い物だったと改めて判明したのは、買収から約2年後だ。
03年3月にコナミは、ピープルから社名変更したコナミスポーツの無形固定資産について465億円を減損処理すると発表した。
競争激化による収益力の伸び悩みなどを背景にコナミスポーツの企業価値が時価評価で買収当初から大幅に低下した。
前年にコナミは米国会計基準に変更しており、「のれん(買収で得た営業権)」の一括償却を迫られた。

■コナミの14年3月期連結決算で、健康サービス事業の部門別営業損益は40億円の赤字(前の期は30億円の黒字)だった。
だが、00年に1兆円を超えたこともあったコナミの時価総額は約3200億円に縮小したままだ。
2014年4月1日至 2014年6月30日健康サービス事業 営業収入18,042 (百万円)増減率 △4.8 %
資本金 130億円(2009年6月30日現在) 従業員数 1,543人(2011年3月31日現在)
資本金230億円(コナミ株式会社100%出資)社員数1,191人(2014年3月31日現在)
■クラブ大手12社の業績推移 http://www.fitnessclub.jp/business/date/big12.html
■業績ハイライト http://www.konami.co.jp/ja/ir/financialinfo/sales.htm