<樋口先生の小説からの引用>
歩きつつゆかりのどこが駄目なのかざっと全身を見て判断してみた。まず目につくのは太っていることである。
しかし二番目の理由はなかなか見つからないのだった。ゆかりは四年生の芸術大学を出ているし、性格は明るいし、仕事も頑張るし、
回りの人たちともうまくやれているようだし、いくら考えても特に他の問題点を見つけ出すことはできない。
ゆかりは食い意地が張っており食欲を抑えきれないために肥満し、それによって女性としての魅力を根こそぎ奪われて世にも醜い姿を世間にさらし、
自らの人生をめちゃめちゃにしてしまうとともに、一人っ子であるのに子どもを作れないことで親の期待を大きく裏切っているのだった。
<以上引用>

これを樋口先生に当てはめてみると・・・・

樋口のどこが駄目なのかざっと外見と著作を見て判断してみた。まず目につくのはイタいことである。
そして二番目以降の理由も次々に見つかった。樋口は二流私立大学の大学院博士課程を出ているが博士号は取れていない。
性格は暗いし、仕事についても、ろくな業績がないばかりか、55歳になっても専門分野の単著さえない。
回りの人たちともうまくやれていないようで、やっと就職した四流私大の専任講師も追い出されて、アカデミックカフェとやらで
老人の茶飲み話の相手を努めた挙句、そこも業績不振で追われ、系列の短大の専任講師にしてもらったところだ。
いくら考えても他に問題点を見つけ出すことは容易である。
樋口は歪んだ自己認識が張っており幼稚な見栄を抑えきれないために、それを表現するためしょうもない婚活本を書く。
それによって婚活男性としての魅力を根こそぎ奪われて世にも醜い姿を世間にさらし、
自らの人生をめちゃめちゃにしてしまうとともに、一人っ子であるのに子どもを作る相手も得られないことで親の期待を大きく裏切っているのだった。