コロコロの先端部を収集ピットの床に置いた状態で、テイタニアに突進するスコープドッグ。避けるテイタニア。
テイタニアは両手にそれぞれ手にした箒と塵取りを捨て、背中に背負ったダイソンDC74コンプリートを手に取った。
掃除機で立ち向かう!? ダイソンの掃除機は吸引力が長持ちするという触れ込みだが、吸引力そのものは
それ程ではないという話だが…。キリコは訝しがる。
テイタニアがDC74コンプリートの電源を入れると、そのモーターは通常よりも激しい音を出して回り始めた。
テイタニア用のDC74は、クエン(酸)トの謎技術を使ってチューニングされたモーターが内蔵されていた。
その吸引力は通常の掃除機の比ではなく、最高に回せばACの部品や装甲をその吸引力で引き剥がすことも可能になるのだ。
今度は、テイタニアがスコープドッグに向かって行く。コロコロを正面に突いて応戦するキリコ。避けられた。
ターンピックを使い急速転回し、コロコロを横に振り回す。やはり、避けられた。
傍目から見ると、何とも単調な戦いだった。膠着状態が続く。
だが、均衡は突如破られた。攻撃を避けたテイタニアが視界から消えた、周囲を見回すがその姿はない。どこへ消えたのか?
「キリコ!こっちだ!!」スコープドッグの左肩にいつの間に乗ったテイタニアが叫ぶ。
同時にスコープドッグの頭部左側のアンテナにDC74コンプリートのノズルを押し付け、右腕で引っ張る動きをとった。
アンテナは頭部から引きちぎられた。

つづく