後生大事にとっといてた賞味期限切れの食品(たくさん)を捨てたら
突如圧制から解放された村人たちが出現した。
「…やった!我々はもう腹痛におびえながら暮らさなくていいんだ!!」
「これからは新鮮な食糧を食べられるのね!」
「ありがとう勇者様!」
その勢いで高かったというだけで保管して何年も着てなかった服も捨てた。
「もう似合いもしない黒い服を着なくて済むんだ…」
「保管臭をかがずに生きていけるのね…」
歓喜に泣き崩れる村人たち。
私は村々を不用品という悪の手先から解放しながら旅をする勇者だったらしい。
村が一つ解放される度に勇者も身軽になってゆく。
勇者の旅は続く。
この世に汚部屋がある限り。