道元禅師様の坐禅ということは
すべてがみな禅だ
禅というたら 何か殊更にあるように思っておる
そうではなくて そのものと一つになっていくことが
禅だから 歩いたら歩いた禅 しゃべったら
しゃべったで しゃべることが禅だ
スリッパを脱ぐのも 坐禅の姿や
スリッパをそろえるのが 当たり前のこっちゃ
例えばスリッパがいがんでおったら
ほうっておけないんだ
スリッパがいがんでおるということは 
自分がいがんでおるんだ
自分がいがんでおるから いがんだやつが
直せないんだよ
だから 物を置いても 
ちぐはぐに置くのと まっすぐに置くのと
すべて心が表れておるんだから
心がまっすぐであったら すべての物を 
まっすぐにする必要がある
修行をしておるんじゃなくて
当たり前のことをやっておるんや
それよりやることないんだ

永平寺・宮崎奕保禅師