Q: 堆肥化発酵を促進する微生物資材の売り込みが多いのですが、
効果はあるのでしょうか?

A: 町の発明家や○○微生物研究所、さらには大学教授や大手企業などが発見
したという微生物資材(発酵菌)が次々と雑誌や新聞に取り上げられ、販売されています。
これら微生物資材(発酵菌)の種類は多く、特殊菌や高温発酵菌、低温発酵菌、有効菌
などや発見者のイニシャルから名付けた○○菌、土着菌、土壌菌などの菌種を特定して
いない微生物資材と、乳酸菌や放線菌、はては納豆菌まで菌種を特定した微生物資材もあります。
堆肥化発酵とは家畜ふん中の易分解性有機物を好気性微生物(菌)が酸素を利用して
分解することですから、堆肥化発酵の唯一の条件はオガ屑や乾燥堆肥等をふんに混合し
て水分と比重を調整し、通気性を確保することです。 通気性が確保された状態(堆積物
の容積重が700kg/?以下)では堆積物内部に酸素が入ってくるため、自動的に好気性微
生物(菌)が活発な堆肥化発酵活動を始めます。堆肥化発酵菌は家畜ふんや堆肥の中に
通常生存し、有機物と酸素の豊富な条件下で急激に増殖(対数増殖)しますから、微生物
資材(発酵菌)を購入・添加する必要はありません。
ふんや堆肥の常在菌ではなく初めて発見された特殊な菌、もしくは特殊な条件で培養し
た特別な菌が市販される例もありますが、仮に本当に特別な菌を特別な環境から探し出
し、その菌が特別な能力を有しているとしても、特別な環境にしか生存・活動できない特殊
菌は普通の菌が多数生存する普通の環境では、生存条件が合わないためにすぐに死滅
してしまいます。
特別な菌は普通の環境に生存できない菌であるからこそ特別であり、特殊であることを
忘れてはなりません。
微生物資材(発酵菌)を添加している堆肥センターや畜産農家を時々見かけますが、ほ
とんどの堆肥センターや畜産農家は微生物資材(発酵菌)を利用していません。つまり、
微生物資材(発酵菌)を利用しなくとも良好な堆肥化発酵が可能であることは既に全国で
証明されているのです。

(財)畜産環境整備機構 審議役 本多勝男

全否定www堆肥業界優秀だなw