>>792
かなり古い記事だけど本質を突いていた
これを読めば陰謀論などは全くの出鱈目と解る
この頃から分かっていた人はいた

第9回:いくら失敗しても懲りない「日本発の標準」づくりの愚(2003年)

トロンは、通産省が国内メーカーを集めて共同開発させ、教育用コンピュータの統一規格に決めたが、
実際に開発していたのは松下電器だけで、いつまでたっても商品が出てこないため、
文部省(当時)が反発していた。
1989年にUSTR(米国通商代表部)がスーパー301条の報復リストに載せたとき、各メーカーがあっというまに手を引いたのは、
「死に体」になっていたプロジェクトから手を引く絶好の口実だったからである。

これを「日本発の標準が外圧でつぶされた」という物語に仕立てるのは、歴史の偽造であり、
「政府が技術開発に介入すると失敗する」という真の教訓を見失わせる。

決めるのは世界の消費者 「日本発の規格」という発想に意味はない

このように「日本発」にこだわるプロジェクトが失敗する第一の原因は、
供給側の都合で作られ、消費者の視点が欠けていることである。
消費者にとっては、日本発なんてどうでもよい。
どこ発だろうと、いい標準は多数派になるし、使いにくい規格は生き残れない。特にインターネットの標準はオープン・スタンダードだから、特定の国が主導権を握ることはできない。
たとえばリナックスの開発者はフィンランド人だが、それを「フィンランド発の国際標準」とよぶ人はいないし、
フィンランドが優位に立っているわけでもない。

第二の原因は、グローバルな市場が見えていないことである。
「パソコンは米国主導だから、情報家電は日本の独自規格で対抗しよう」などという発想で、
世界の消費者に通用しない「日の丸規格」を作っても、キャプテンやハイビジョンのように、
結局はビジネスとしても生き残れない。