バラモン左翼(Brahmin left)とは?
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2018/04/post-83eb.html
http://piketty.pse.ens.fr/files/Piketty2018.pdf

フランス、イギリス、アメリカの戦後選挙調査を用いて、本稿は政治的分断の驚くべき長期的展開を示す。
1950−60年代には、左翼(社会党、労働党、民主党)に投票するのは低学歴で低所得の有権者だった。
次第に投票するのは高学歴になっていき、2000〜2010年の「多元的エリート」政党システムのもととなった。
高学歴エリートはいまや「左翼」に投票する。一方、高収入で裕福なエリートは依然として「右翼」に投票する。
言いたいのは、これが格差拡大とそれに対する民主的反応の欠如、そして「ポピュリズム」の興隆に貢献しているということだ。

私はまたこの展開の源泉とともに将来予測も論じる。「多元的エリート」の安定化、(高学歴、高所得の)「グローバリスト」対
(低学歴、低所得の)「ネイティビスト」に沿った政党政治の再編成、階級に立脚した再分配をめぐる紛争への回帰だ。・・・

ここには「バラモン左翼」というキャッチーな言葉は出てきません。本文を読んでいくと、こういう注釈的一節にありました。
I.e. the “left” has become the party of the intellectual elite (Brahmin left),
while the “right” can be viewed as the party of the business elite (Merchant right).1
「左翼」はインテリのエリート(バラモン左翼)の党になってしまったが、「右翼」はビジネスエリート(商人右翼)の党とみなされている。


なるほど、高学歴高所得のインテリ左翼を皮肉って「バラモン左翼」と呼んでいるわけですね。