「日本の病院経営はほとんど『ホテル業』に近いビジネスモデルになっています。外来がいくら多くてもそれほど儲からないけど、入院患者が多いと稼げる。基本入院料や食事代に加えて、入院中は患者にたくさん検査を受けさせられるからです。

だから外来で済むときでも、短期の検査入院を患者に勧めるケースは珍しくない」(医療ジャーナリストの富家孝氏)

日本の入院日数は他国に比べて圧倒的に長い。たとえば日本で胃がんの手術を受けた患者の平均入院日数は、平成23年の厚生労働省の調査で22.6日となっている。これはアメリカの2倍以上の長さだ。

入院が長引く理由は、健康保険制度にある。これまで日本では「入院一日あたり」で病院に報酬が入っていたため、入院が長期化すればするほど病院が儲かるシステムになっていた。