小学生の頃のナゾナゾで
北の京はペキン、南の京はナンキンでは東の京はどこでしょう?
というのが流行った覚えがある
答えは当然’東京’というものであったが
最近少し気になる言葉があるそれは”トンキン”である
このトンキンはペキン、ナンキンの流れからすれば当然東京の事であろう
しかしこれは歴史的認識からも今の国際情勢からも良くない表現であり認識でもある
元来トンキンは現在のベトナム北部の中国と国境を接したハノイを中心としたフォン川流域の歴史的に微妙な地域である
中国と東南アジアの文化の交流地点で気候的に年中温暖で肥沃な大地での稲作が盛んで文化的にも裕福な地域だった
最近では中国の経済発展に伴いインフラや工業が著しく発展しており世界的にも有望な経済地域に成長している
ただしこの地域は歴史的に見ると中国や旧ソ連、フランス、日本、そしてアメリカと大国の攻防の悲劇の舞台であった
ベトナム戦争時のB52戦略爆撃機による有名な北爆はこのトンキン地域のじゅうたん爆撃であった
米軍の枯葉剤散布による妊婦や幼少児に対する深刻な健康被害ももたらした場所でもある
対植民地支配や対共産主義そして民族的、宗教的、文化的、経済的な様々な国際摩擦の表舞台になった悲劇の地域であった訳だ
軽はずみに歴史的認識もなしにこの”トンキン”を誤って利用するのはベトナム人に対しそして国際社会にも礼を失している
はっきり言えば社会常識的に良くない表現方法だ