ドレスコードってのは一種の「パス(通行手形)」みたいなものなんだよね。
イギリスは今でも階級社会なんで、それぞれの階級の所属を証明するものが存在している。
一番典型的なのは言語とマナーなんだけど、マナーの一部がドレスコードなわけね。
その階級にふさわしい文法と発音でふさわしい言語を操り、相応しい服装でふさわしく行動する。
そうすると「彼は我々と同じ階級の人間である」と判断される。
逆に、どこか一点間違うと「…ああ、タヌキが尻尾をだしてるな」と判断されるんだ。
何年か前、イギリスとオーストラリアでクックニー騒動があったけど、あれも根っこは同じ。
イギリスの上流階級で英語と言ったらクイーンズであって、クックニーはロンドンの下町英語(=下流の言葉)でしかない。

階級というものが見えにくい日本でならどんな着こなしをしていても特に大きな問題はない。
アロハシャツにバミューダ履いて裸足に黒のストレートチップ、ついでに頭に黄色のヘルメットでもいいぞ。
江東区とか葛飾区には、もっと凄まじいのがいくらでもいる。
ただ、渡英するなら辞めた方が良い。
最悪、人でなく猿に分類される可能性もある。