これがひっくり返らない限り低炭水化物ダイエット消滅はないよ

糖質を食べると食後血糖値は必ず上昇します。
しかし、インスリン作用が正常なら、血糖値の上昇はコントロールされるので
食後高血糖にはなりません。
この食後高血糖という言葉は、結構よく使用します。
では、正式な「食後高血糖」の定義はご存知でしょうか?
シンプルに、食後2時間血糖値が140mg/dl以上あれば、食後高血糖です。
国際糖尿病連合によれば、
食後1〜2時間の血糖値が160mg/dl未満が目標です。
食後2時間血糖値が、200mg/dlを超えたら、「糖尿病型」ですので、
具体的には「食後高血糖」とは、
食後2時間血糖値が、140〜199mg/dlの間の数値をさすこととなります。
正常人では、食後血糖値が140mg/dLを超えることはほとんどありません。
そして、食後2〜3時間以内に食事の前の値に戻ります。
食後1時間血糖値が180mg/dlを超えていると、食後2時間血糖値が140mg/dl未満で正常でも、
将来糖尿病になりやすいことがわかっています。
糖尿病前段階の食後高血糖が何故問題になるかというと、
心筋梗塞などの合併症リスクが結構あるからです。
 日本人を対象に実施された大規模研究「舟形町コホート」でも、
食後血糖値が高めの耐糖能異常(IGT)は
心血管死および総死亡のの危険因子であることが示されました。
すなわち「食後高血糖(糖尿病予備群・IGT)」は糖尿病前段階ですが、
死亡リスクが上昇することが日本人の研究で確認されたということです。
一方、空腹時血糖値が110〜125mg/dlで食後高血糖がないタイプ(IFG)は
総死亡と心血管死について、
正常型群と優位差がありませんでした。
*IFG:空腹時血糖値やや高値、110〜125mg/dl
*IGT:食後高血糖、140〜199mg/dl
このように同じ、境界型の糖尿病予備群でも
「食後高血糖(IGT)」と「空腹時血糖障害(IFG)」
では、死亡リスクが全く異なることが、舟形町研究で明らかとなりました。
げに「食後高血糖(IGT)」、恐るべしです。
なお、通常の健康診断では、糖尿病に関しては、
空腹時血糖値とHbA1cしか検査しないので、
食後高血糖はほぼ確実に見逃すこととなりますので
ご用心、ご用心。
http://www.dm-net.co.jp/daikibo/2016/09/funagata_study_2.php