〔補足〕※糖質を5-6割摂取している一般的な食事内容におけるナトリウム摂取推奨量について

□PURE研究(17カ国15万人参加の世界最大規模疫学研究):エネルギー比50%以上の炭水化物摂取は心疾患リスク増 [Cardiology Update 2017]
http://ozma.beer/LowCarb_4nwbs/?P=48

Salim Yusuf氏という世界トップの循環器病医師が、心臓病アップデート会議(Cardiology Update meeting)の講演で、
さまざまな栄養素の摂取と心血管疾患(CVD)のリスクとの関係に関するPURE研究(Prospective Urban and Rural Epidemiological Study)のデータを発表しました。
その内容は、アメリカ心臓協会(AHA)や世界保健機関(WHO)などが推奨する現在の食事ガイドラインや勧告に対して非常に重要な問題提起をしています。
以下、ナトリウム摂取に関する部分を抜粋:

ナトリウム(塩分)摂取量(ナトリウムと塩分(NaCl)の量は違います。ナトリウム(g) ×2.54=塩分(NaCl)量(g) です。)に関しては

・WHOとAHAはナトリウムを2〜3グラム/日に減らすことを推奨しているが、それは完全に間違っている。もっと増やす必要があるということ。
・ナトリウムは必須栄養素だということ。
・皮膚において感染症に対する防御の第一線はナトリウムであり、これが体内のナトリウムの大部分が皮膚の下の脂肪に貯蔵される理由だということ。
・ヤノマミインディアンのデータはナトリウム摂取が低いほど血圧が低いことを示しているが、ヤノマミインディアンの寿命は32年であるということ。そして、感染によって圧倒的に死ぬということ。
・ナトリウムに関する結論は、すべての推奨量は低すぎるということ。3グラム/日以下は良くなく、最適なナトリウム摂取量は1日当たり約3〜5グラム(塩分(NaCl)換算で7.62〜12.7g)であるということ。
(ちなみに日本の食塩(NaCl)摂取量の目標値は男性8g未満、女性7g未満です。)
・高血圧がなければナトリウム摂取量は放置してよいこと。高血圧がありナトリウムを5g以上(NaClを12.7g以上)摂取しているなら塩分制限をすること。