小5〜6の時、週に1回は泣く子(加奈子)がいた。
体格は平均的、髪は肩くらいの長さ。
ちょっとワガママで強気な感じの子。
女子同士で喧嘩したり、体育で転んだりして、たちまち特大の涙が膨れ上がってボロボロ次々にこぼれ落ちる。
泣き声は出さずに、立ち尽くしたまま手放しでしゃくり上げる泣き方。
帰りの会で立たされて叱られた時も大泣き。
必死に堪えてたけど、謝りなさい!と言われた瞬間、ボタボタボタッ!と音がして、嗚咽が響いた。
後ろの席の彼女を振り返ると、机の上に置いた赤いランドセルに、涙が目からボタボタ音を立てて落ちてた。
3分足らずだったけど、60粒くらいは落ちて、ランドセルに筋を引いては机に落ちたり、内部に入り込んだりしてた。
中の教科書や筆箱も涙まみれになったんじゃないかな。
とにかく涙が大粒で、直径6ミリ以上の涙をボロボロ落として泣く子だった。
落ちる涙がガラス玉みたいで、子供ながらに見とれてしまった。

>>24>>25のような場面もあった。
風邪の病み上がりで、白地に青い音符の模様のマスクをして来た留美。
やや小柄な大人しい子で、育ちの良さそうな雰囲気。彫りの深い顔立ちが可愛かった。
グループ活動で班全員に反対されて、彼女にしては珍しく嗚咽しながら反論。
最後は何も言えなくなって、
「うっ、う、うっ、、うえーえぇーーえーん!!…えぇーん、うぇーーんえん、うぇーーんえんえんえん……」
と、1年生の子みたいに声出して泣いた。
大粒の涙がダラダラーっととめどなく溢れて、マスクの表面を幾筋も伝った。
マスクはびしょびしょに濡れて、音符の柄が無惨に滲んでしまっていた。
あまりの大泣きに、班の子たちもそれ以上口撃できなくなった。

先生が戻ってきて、留美が泣きじゃくってるのに気づいて、教室の外に連れて行った。
外からもしばらく泣き声が聞こえて、泣き止んで先生と戻って来たときには新しい白無地のマスク。
涙で濡れたマスクをゴミ箱にポイッと捨てて、席に戻った後も顔を真っ赤にして俯いてた。
班の他の女の子に「大丈夫?ごめんね」と言われて、小さく肩を揺らして2度泣きしてた。
あとはそのまま早退してしまった。